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日朝神戸ネットが集会 国交正常化、「高校無償化」 2つの決議を採択

講演した康宗憲所長

 「対話で平和を!日朝関係を考える神戸ネットワーク」が主催する「6カ国協議で解決を!朝鮮半島の平和を求める神戸集会」が27日、兵庫県私学会館(神戸・中央区)で行われ、日本市民と同胞らが参加。「朝鮮半島の平和と日朝国交正常化に向けて政府に積極的な行動を求める」前原誠司外相あての決議文と、「朝鮮高級学校への高校無償化即時適用を求める」高木義明文部科学相あての決議案がそれぞれ採択された。

 集会では、韓国問題研究所の康宗憲所長が「朝鮮半島と東北アジアの平和に向けた展望」と題して講演を行った。

田中ひろみさんからカンパを受け取る姜佳奈さん(左)

 康所長はカ国協議再開の前提として、各国が朝鮮の主権を尊重し挑発的な軍事演習をやめ、朝鮮半島の非核化と平和体制の定着を同時に推進していかなければならないと指摘した。日朝関係については、平壌宣言に基づいた対話と国交正常化交渉を促しながら、日本が日米安保条約による従属的な軍事同盟から脱却し、米軍基地を撤去させることが東アジアの平和と発展につながると述べた。

 続いて採択された前原外相あての決議文は、南朝鮮政府に対して南北対話においてより柔軟な対応を求めること、日朝平壌宣言にもとづく国交正常化交渉を直ちに開始すること、カ国協議の早期再開を各国に要求することなどを求めた。

朝高生がアピール

姜佳奈さん

 集会では「高校無償化」問題も取り上げられた。

 神戸朝鮮高級学校の姜佳奈さん(高2)は、部活の練習試合で出会った日本の高校生らが「同じ高校生なのになぜ差別されるのか」「負けたらあかんで」などと励まし署名に応じてくれたエピソードなどを語りながら、署名運動に協力してくれた多くの日本市民に感謝した。その上で、「高校無償化」問題は単なるお金の問題ではなく、私たちの誇りの問題だと述べ、自らのルーツを知り言葉や文化を学び受け継ぐために必要な民族教育の重要性を切実に訴えた。

 姜さんが「これからも在日朝鮮人としての誇りを胸に、前を向いて歩んでいきたい」と述べると、聴衆から大きな拍手が沸き起こった。前日、宝塚駅で、朝鮮学校への「高校無償化」適用と大阪府の補助金支給を求めハンガーストライキを決行した田中ひろみさんは、参加者を代表して当日集まった募金を神戸朝高に寄付した。

 文部科学相あての決議文は「朝鮮学校だけをはずすことは民族差別。政府の対応が朝鮮学校や在日朝鮮人に対する差別を助長し、地方自治体における朝鮮学校への補助金支給にも影響を与えている。一刻も早く民族差別の横行を解消すべき」と厳しく指摘した。(泰)

[朝鮮新報 2011.2.28]