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高校無償化 2.26大集会 卒業式間近、怒り頂点に


週末の渋谷に響いた「差別反対」

朝鮮学校への「高校無償化」を求める力強いシュプレヒコールがこだました

 買い物客でにぎわう週末の渋谷の街に、シュプレヒコールがこだまする。「朝鮮学校にも無償化を」「朝鮮学校を排除するな」「教育の差別に反対」。

 2月26日、朝鮮学校への「高校無償化」即時適用を求める大集会が行われた代々木公園からスタートしたデモ行進は、NHKホール、渋谷区役所、勤労福祉会館、渋谷駅前を通過し、神宮通公園へと向かった。長い隊列を組んだ参加者らの怒りの声は、林立するビル群に反響していた。

 今月5、6日に日本各地の朝鮮高級学校では卒業式を迎える。東京朝鮮中高級学校の金成明さん(高3)は「1年間、共にたたかってくれる日本市民の姿を目の当たりにして、当事者である自分たちがもっと声を挙げなければと思った。小さい力が集まれば、大きな力になる。卒業後も、後輩たちのために最後までたたかいたい」と、心情を吐露した。

 昨年3月末の大集会から1年。集会は今回も含め全4回にわたって行われた。参加者の服装は、薄手のコートからTシャツへと変わり、そしてまた厚手の外套へと戻った。

 デモ隊列の先頭と最後尾には、賛同団体の名が書かれた色とりどりののぼりが掲げられ、「無償化」からの朝鮮学校除外反対の声が、大きな世論となっていることを如実に物語っていた。

 「ツイッター」(簡易ブログ)を通じて、今回の集会を知り初めて参加したという俵公次郎さん(28)は、「この問題は常識的におかしい」と感じ続けていたという。朝鮮学校を訪問した経験もあるという俵さんは、「日本政府は、政治的に利用している。朝鮮学校の生徒たちは、本当に普通の子どもたち。反対を唱えている人たちは、一度朝鮮学校を訪ねてほしいと思う」と口にした。

 現在コリアンタウンとして有名な東京・大久保で生まれ育った加藤直樹さん(43)は、小学校時代のクラスメートに在日朝鮮人がおり、電車に乗ればチマ・チョゴリを着た朝鮮学校の生徒もよく見かけた。彼の中では在日朝鮮人は、「日本社会を一緒に作る仲間」という意識が強い。「日本政府が言っている理屈は、多くの日本人には通じない。人間は育った社会に愛着を持つもの。そういう人たちを差別することが許せない」。

 デモ行進には車椅子に乗りながら、声を挙げる人もいた。小林信次さん(67)は、9月のデモにも参加した。「はっきり言って日本人として恥ずかしいし、悲しい」と話す一方、当事者として集会でしっかりと自分の主張を述べる元気な朝鮮学校生徒らの姿に、「逆に元気をもらった」という。

 「朝鮮女性と連帯する栃木県婦人の会」の添田包子会長(83)は、「無償化」問題に直面し、「戦後65年間、平和運動を続けてきた自分たちの力不足」を痛感していると話す。「日本は敗戦後、朝鮮をはじめアジアの国々に謝罪と保障を果たしてこなかった。それが今まで続いている」。

 この日、集会とデモに参加した約2千人もの人たちの声は、確かな世論として日本社会に、差別是正をアピールしていた。

[朝鮮新報 2011.3.2]