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「高校無償化」 2.26大集会 日本政府に憤り、朝高3年生の思い

卒業後も声を挙げていく!

朝高3年生たちは高校最後の1年間、「高校無償化」制度の適用を訴えてきた

 集会後に行なわれたデモ行進の隊列の中には、卒業式を1週間後に控えた朝高3年生たちの姿があった。友人たちと最後の思い出づくりに費やしたい時間を割き、大きな声でシュプレヒコールを叫び、若者たちでにぎわう渋谷一帯を練り歩いた。

 「高校最後の1年間は、実に権利獲得のためにたたかった1年だった」と彼らは、口をそろえる。本来ならば、授業を受け、部活に励み、友人たちと過ごす時間にも、彼らは街頭に立ち、国会を訪れ、集会やデモに参加し、「無償化」制度の適用を求め訴えてきた。そんな彼らの努力にも目を向けず、ことを先送りにし、差別を繰り返す日本政府に対し、彼らは憤っている。

 東京中高の金竜盛さんは、1年間がんばってたたかってきたのに、いまだ「無償化」が実現されていないことに対し、悲しみと怒り、もどかしさを感じている。彼は、「日本政府の二転三転する言いがかりには、あきれている。教育の観点から見ると言っているが、完全に政治問題の口実にしている。発言に責任を持ち、直ちに『無償化』を適用してほしい」と言いながら、卒業してもこの問題にしっかりと関心を持ち、在日朝鮮人として、問題解決のためにたたかっていくと話した。

 茨城朝鮮初中高級学校から60余人の朝高生と共に駆けつけた金愛里さんは、今もなお差別を続ける日本政府に対し、憤りをあらわにした。「歴史的に考えても、朝鮮学校は然るべく処遇を受けるべきなのに、日本は過去も清算せず、ましてや歴史的事実を隠ぺいしようとしている。戦前と何も変わっていない」と指摘し、もっと多くの日本市民に朝鮮学校や「無償化」問題を理解してもらうために、自身がもっと奮闘し、卒業後も後輩や学校のために、運動に積極的に参加したいと語った。

 神奈川朝鮮中高級学校の朴里恵さんは、「無償化」運動が長期化するにつれ、心が折れそうにもなったが、その度に「私たちのたたかいは正当だ」と自分に言い聞かせてきた。今回の集会、デモに参加した同胞や日本市民の姿を通じて、朝高生たちがもっと声を挙げなければならないと改めて思ったという。「無償化」問題を先延ばしにしてきた日本政府に憤りを感じるし、決して最後まで諦めないと力強く語る。「卒業後も運動は続く。後輩たちのためにも、さまざな方法を駆使し、『無償化』が実現されるよう、声を挙げていきたい」

[朝鮮新報 2011.3.2]