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城北初級で朝・日文化交流 落語、講談など伝統芸能も


生徒ノリノリで大笑い

 城北朝鮮初級学校(大阪市旭区)では朝・日文化交流イベントが学期ごとに開かれている。守口市議会議員やオモニ会の協力などもあり、数年前から生け花教室や落語鑑賞などが行われてきた。2月21日には同校で朗読劇、落語、講談、歌が披露され、同校児童・園児、教職員らが観覧した。

「日朝コラボ」も

「日朝コラボ」を演じた旭堂南陽さん(右)と李栄宝さん

 この日は月に1度の「オモニ給食」の日でもあった。オモニたちの愛情が込められた給食をお腹いっぱいに食べ、食器を運ぶ子どもたち。隣の部屋で準備中の出演者らに興味津々の様子だった。そして、これから何が始まるのだろうかと期待に胸を躍らせながら講堂に集まった。

 イベントの開催を呼びかけた井上てるよ・守口市議がマイクを握ると、すっかり顔なじみの様子で、生徒たちも元気よくあいさつした。

 最初の演目は声優・役者集団「Team Radio Actress」による朗読劇「シンデレラ」。演劇とは違い、ほとんどセリフだけで表現したものだ。見た目の印象と違った声を発するなど、声優たちの技術は観客の心を引きつけた。とくにシンデレラの意地悪な姉を演じた男性声優の演技に大きな笑いが起こるなど、観客を楽しませた。

公演を楽しむ園児たち

 続いて、日本の伝統芸能が披露された。生で見られるのは貴重な体験だ。

 まず、落語家の澄川白州さんが出演。わかりやすいダジャレに始まり、方言の違いで生じたトラブルを扱ったネタで爆笑を誘った。続く講談師の旭堂南陽さんは、独特の話術で昔話の「桃太郎」を語った。「大きな桃がどんぶらこ、どんぶらこ」と語ると園児たちも大喜びした。

 最後は生野生まれの同胞歌手・李栄宝さんと南陽さんによる歌と講談のコラボレーション。差別や生活苦に苦しんだ李さんの幼い頃を南陽さんが情緒たっぷりに語り、李さんが「平壌の朝」などオリジナル曲を熱唱した。まさに「日朝のコラボレーション」だった。同校でお馴染みの「ほら!春がきた!!」が始まると、生徒たちも楽しそうに手拍子と掛け声で応えた。

 公演が終わると、出演者たちとの記念撮影があった。

交流拡大に意欲

出演者たちと記念撮影

 「面白かったです!」と笑顔で話す生徒たちの笑顔を見て、井上市議もほっとした様子。「生徒たちは朝鮮語だけでなく民族舞踊やチャンゴなどを習っていて芸術の才能も高い。だから日本の文化芸能にもすぐに反応してくれるようだ」と述べ、有意義な日朝文化交流に手ごたえを掴んでいた。

 出演者たちは国籍や国境を越えた交流、差別や偏見をなくそうとする取り組みに理解を示し、ボランティアで出演依頼を引き受けた。そして、朝鮮学校で得た感動もあったのだという。

 「生徒たちの目が輝いていた」「難しい手拍子をこなせるのはチャンゴを習っているからなの?」「ノリがよく反応も素晴らしいので気持ちよく演じられた」

 朝鮮学校や在日朝鮮人の歴史、人権問題にも関心を示した出演者たちは、「呼んでいただければどこへでも行きます」「東京の朝鮮学校にも行ってみたい」と交流の拡大に意欲を示した。 (李泰鎬)

[朝鮮新報 2011.3.4]