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大阪朝高への補助金支給求め、大学教員らが橋下知事宛に要請書提出

「差別を黙認できない」、356人が署名

要請書を手渡す大阪商業大学の滝沢秀樹教授(右)

 大阪の朝鮮学校に対する府の補助金執行を停止していた橋下徹知事は23日、朝鮮初中級学校に対して2010年度分の補助金を支給すると発表したが、朝鮮高級学校への支給については一貫して否認を続けている。

 予算計上した2010年度分を一方的に消滅させようとしており、2011年度分は計上すらしていない。

 そうしたなか、近畿の大学教員らは29日、補助金の速やかな支給を求める連名の要請書を知事宛に提出した。府からは私学・大学課の職員らが応対した。

 大学教員たちは、「高校に直結する高等教育に携わるものの責任として、大阪府による朝鮮高級学校のみを対象とした差別的措置を黙認してはならないと考え」、賛同者を募った。10日間で大阪大、京都大、神戸大、大阪府立大、大阪市立大を含む各地の国公私立大学の教員ら356人が署名した。29日、大阪商業大学の滝沢秀樹教授らが府庁を訪れ要請書を提出した。

 要請書は、教育の内容にも関わる条件を補助金支給の条件として突きつけること自体が不当であり、「行政権の濫用」だと指摘。

要請に訪れた大学教員ら(右側)

 民族教育に対する弾圧の過程で16歳の在日朝鮮人の少年が府庁前で射殺された1948年の事件について言及しながら、「今回の府の措置は、阪神教育闘争の時代、さらには朝鮮植民地支配の時代以来のあからさまな弾圧政策だ」と厳しく批判した。

 また、「在日コリアンの最大の居住地域である大阪府の動向は、府民のみならず、民族教育問題に関心を寄せる日本、南北朝鮮および世界の人々に注目されている。

 橋下知事の恣意的な『決定』一つで、大阪府が朝鮮学校をはじめとする外国人学校に振興補助金の支給を行ってきた歴史と意義を無に帰してよいのか。府の誤った政策が大阪のイメージを傷つけるであろうことも深く憂慮する」とした。

 大学教員らは「知事が気に入らないからといって一方的に条件を突き付けて補助金を切るというのは、民主主義の破壊であり、歴史に汚点を残すことになる」「外国人学校は本国や祖国との関係をもとに成り立っているものなのに、その関係性を絶とうとすることは、生徒や在日朝鮮人の祖国への思いを踏みにじる行為だ」とも指摘し、「支給を求める府民が大勢いることをしっかり伝えてほしい」と述べた。(李泰鎬)

[朝鮮新報 2011.3.31]