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府補助金、初中は支給、残すは朝高

大阪から民族差別なくそう、同胞ら積極的に活動

日本市民らに朝鮮学校の正当性を訴える玄順愛さん(3月19日)
楽器演奏を披露する東大阪中級生徒たち(3月21日)

 大阪の朝鮮初中級学校に対する府の2010年度補助金がようやく支給されることになった。朝鮮学校関係者の粘り強い交渉と、同胞や生徒、日本市民らの要請活動、街頭宣伝によって権利が守られた。

 しかし、橋下知事は、朝鮮高級学校への支給については一貫して否認を続けている。予算計上した2010年度分を一方的に消滅させようとしており、2011年度分は計上すらしていない。「北朝鮮国家と朝鮮学校との関係性を絶つ」とし、拉致問題を理由に生徒や保護者を苦しめる不当な措置を撤回しようとはしない。

 こうしたなか、朝・日連帯の力で大阪の教育現場から民族差別をなくそうという動きが広がっている。総聯本部をはじめ学校関係者や学父母らは、日本市民が主催する集会などに積極的に参加し、朝鮮学校と民族教育の正当性をアピールしている。

 19日、近畿の市民団体、労働組合、国会と地方の議員らの呼びかけで行われた集い「橋下・大阪都構想を斬る!」には、生野朝鮮初級学校に子どもを送る玄順愛さんが参加。「条件を飲まなければ支給しない」という知事の態度に憤慨するとともに、異国の地で育っても、自分のルーツや民族の言葉、歴史や文化を身につけてほしいとの願いから、子どもたちを朝鮮学校に送っているという学父母たちの思いを語った。

 また、学父母たちは、府民として納税義務を果たしながらも権利は保障されず、「控除も支給もなし」という二重の負担を負っていると指摘。「朝鮮学校で学ぶ権利を奪わないで」と訴えた。

国際婦人デーイベントでも

詩を朗読する許玉汝さんと河津聖恵さん

 近畿の市民団体、労働組合、地方議員の女性らでつくる「3月行動をよびかける女たち」の主催で21日に開催された「2011とめたいんや戦争! 守るんや命! 3.21行動」には、女性同盟本部が実行委員会に名を連ねた。

 集会に招かれた東大阪朝鮮中級学校の生徒たちは、朝鮮舞踊や楽器演奏を披露し、民族教育の素晴らしさを存分にアピールした。また、詩人の許玉汝さんと河津聖恵さんは、朝鮮学校や生徒たちを主題にした詩を朗読した。

 許、河津の両氏は「2011国際婦人デー3.26関西集会」(主催=活動家集団思想運動、小川町シネクラブ・関西)にも参加。許さんは初めて日本語で書いた詩「ふるさと」、河津さんは初めて朝鮮学校を訪問した後に書いた詩「ハッキョへの坂」を朗読し、聴衆の感動を誘った。

 また、集会で発言を求められた総聯大阪府本部の朴栄致・国際統一部長は、知事の恣意的な判断によって教育の場に差別が持ち込まれ、子どもたち、保護者たちが苦しんでいるとし、日本市民と同胞が連帯してたたかい、補助金を必ず守りぬかなければならないと訴えた。(李泰鎬)

[朝鮮新報 2011.3.31]