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中級学校に新しい「保健体育」教科書

心身ともに健康的な人間に

 新学年度のスタートに合わせて、朝鮮学校中級部用「保健体育」の教科書が新たに編さん発行された。教科書は2004年に作られた初級学校3・4年用、5・6年用「保健」教科書に続くもので、体力を高め、健康を保持増進するために必要なことを学習できるよう構成されている。

体と心の変化

新たに編さん発行された「保健体育」教科書 (左)、緊急時の応急処置について実践的に学ぶ

 編さん内容は大きく「体育編」と「保健編」に分けられる。

 体育編では@運動と体・心の関係、A体力づくりについて学ぶ。運動は、体力維持の他にも生活や学習への意欲を高め、ストレスに負けない強い意志を持つことにも影響する。教科書では、運動を通して体力や運動機能、決断力、忍耐力などを高め、充実感や達成感を味わうことのできる活気に満ちた生活を送ろうと呼びかけている。

 教科書の大部分を占める保健編は、「心身の発達と心の健康」「健康と環境」「傷害の防止」「健康と生活」の4章で構成される。

 第1章では、思春期を迎えた中学生が体験する@身体の発育発達、A呼吸・循環器の発達、B性機能の成熟、C性情報に対する対処、D心の発達と自我形成、E欲求とストレスへの対処でまとめられ、この時期大きく変わっていく体と心の変化について詳しく述べられている。

 第2章では、@環境の変化と適応、A環境と調節、B環境汚染と環境の利用について、第3章では、@傷害と事故の原因と防止、A交通事故の要因と防止、B応急処置の必要性と手順、C呼吸停止時の処置、D傷の手当と自然災害への対処について学ぶ。熱中症や「冷房病」、大気汚染、「環境ホルモン」は現代の人々が避けては通れない問題である。これらの基礎知識と共に、中学生に最も多く見られる自転車事故や、呼吸停止、意識障害、大出血、火傷の際の応急処置法、災害時の対処法についても詳しく取り上げている。

生涯に渡り健康に

喫煙とガンによる死亡率を表した図

 第4章では、@現代生活と健康、A運動・休息と健康、B生活習慣病と予防、Cたばこ・飲酒と健康、D薬物乱用と健康、E感染症と予防、F性感染症の予防とエイズ、G健康な生活について学ぶ。

 ここでは、バランスのとれた食事や規則正しい健康的な生活習慣について考える他、たばことガンによる死亡率、未成年者に及ぼす飲酒の影響、薬物乱用の害、感染症予防の3原則などが取り上げられており、授業を通して精神的にも身体的にも健康的な人間を育て、卒業後も生涯にわたって健康な生活を送るのに必要な知識、ならびに習慣を習得させたいとの意図が汲み取れる。

 中級部3年間に設けられた授業数は24時間。教科書は色彩豊かなイラストを多用し、わかりやすくまとめられている。

※問い合わせ=学友書房教科書編さん局、TEL 03・5392・1181。

[朝鮮新報 2011.4.28]