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廃墟の後−都鐘

砂漠にも 己を見捨てない草がある
何もかも燃えてしまった森にも
まだ終わっていないと信じる木がある
火山灰を被り溶岩に溶けた山の麓にも
生きて灰を払いながら帰ってくる
虫や獣たちがいる
私が私を捨ててしまえば
そこにはもう誰もいない けれど
私が私を 自分から諦めないのなら
どこにでも 共にする仲間たちがいる
石山に埋まり 干乾びてしまった谷に
再び水が戻り 小川が伸びて流れて行く
私が私を 自分から諦めないのなら

都鐘煥詩集「柔らかな直線」
(98年・創作と批評社)

 ト・ジョンファン(1954〜)

 忠清北道清州生まれ。教職の傍ら同人誌「分断時代」で詩作を始め、89年全国教職員労働組合活動によって解雇、投獄。98年に復職したが体調を崩し、現在は療養中。(選訳・金栞花)

[朝鮮新報 2011.4.18]