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春・夏・秋・冬

 「生かされている命」を実感する日々が続いている。被災地から送られてくる記事と写真で紙面を作りながら、寄り添い支え合う人々の姿に勇気づけられている

▼地震と津波が東北地方の沿岸部を襲った。生と死が紙一重の瞬間を体験した人々がいた。記事によると震源地に近い高速道路を走っていた朝青宮城県本部委員長が見せた条件反射は「同胞の安否確認」だった。車で被災地をまわり、ハルモ二の無事を確認して安堵したという

▼相扶相助の精神で成り立つ同胞組織、そこで働く活動家の本分は何か。理屈をこねるよりも、まず行動する人間がいた。その輪が広がり続けている。各地の同胞が自分にできることを考え、募金を行い、救援物資を送った。いま、本紙には「ありがとう」の言葉が溢れている。被災者たちが見たものこそ総連の底力だ。同胞だけではない。送られた物資は日本の被災者たちにも届いている。総連の活動家、同胞商工人らは日本の学校や市役所の前で炊き出しを行った。被災した住民が集い、分け隔てるものはなかった

▼未曾有の災害の中で、人間も組織も本性をあらわす。ともに生きる人々と喜びも悲しみも分かち合うこと。そこからすべてが始まるのだろう。あの日、東京の編集局も大きく揺れた。いまはこうして紙面を作っている。同胞社会の一員として、記者として、自分の本分を果たさなければと思う。(永)

[朝鮮新報 2011.3.25]