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春・夏・秋・冬

 本来ならば、今日は日本各地の朝鮮学校で明るい入学式が行われていたはずだった。全国各地にある朝鮮学校の高級部や中級部、初級部では希望を胸に抱いた多くの新入生たちが学校の門をくぐったことだろう。しかし、今年はそのような光景はあまり見ることができない

▼理由の一つは、東日本大震災だ。東北地方ではいまだに安否の確認が取れていない同胞が多い。東北や福島、茨城など各地の朝鮮学校校舎の被害も大きい。それでもこれらの学校では卒業式と終業式が行われ、震災を乗り越えていくという同胞と生徒たちの強い決意が示された

▼理由のもう一つは「高校無償化」問題。高木文科相は3月25日、朝鮮学校に対する「今年度中の審査再開は無理」との見解を示した。審査中断の理由についてこれまでは、「朝鮮半島情勢が不安定なため」としていた。今回は「大震災への対応もあり、事務手続きが進まない」との「理由」を示した。一連の流れから、「朝鮮学校除外」という結論ありきで「理由」は後づけだったと誰もが考えているに違いない

▼現在、各地では被災者支援活動が積極的に行われている。「無償化」実現のために奔走した多くの日本市民たちも、国籍や民族を超えて助け合おうとさまざまな運動をしている。こうした草の根の助け合い運動がいずれ、「無償化」など民族教育権の拡大につながると信じたい。(国)

[朝鮮新報 2011.3.31]