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春・夏・秋・冬

 日本政府は福島第一原発の構内にたまっていた放射能汚染水を海に放出することを米国と事前協議する一方、他国に対しては放出計画の実施を事前通報しなかった。北南朝鮮や中国など近隣諸国のことはまったく考慮していなかったということだ

▼南のメディアは強く反発。枝野官房長官は放出地点が太平洋沿岸のため「通報すべき国はない」と説明したが、とうてい納得できるものではない。原発事故によってアジアの国々にも放射性物質は拡散している

▼朝鮮中央テレビの報道によると、平壌、元山、清津などでも微量のヨウ素とセシウムが検出された。原発事故が報じられて以来、平壌市民も自分たちに及ぼす影響を心配しながら「日本の無責任」を非難しているという。「朝鮮民族に災難ばかりをもたらす国」に厳しい視線が注がれているそうだ

▼朝鮮民族は、侵略と植民地支配の歴史について謝罪せず、厚顔無恥に振る舞う隣国の姿を見てきた。そのような無責任な態度の理由についてはさまざまな見解がある。東京での特派員経験がある外国人記者は近著で日本の問題点を「自らを直視できないこと」と指摘、その原因は「いまの日本が自国民ではなく戦後、米国によって作られた」からだと分析した。米国の過保護に慣れきって自分では何もできない状態に陥ったということだ。汚染水放出の経緯を見れば、さもありなんと思えてくる。(永)

[朝鮮新報 2011.4.7]