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「王妃殺害」点字訳−歴史の事実照らし出せ

 1895年10月8日未明、朝鮮の王后閔氏が、大本営と日本政府の意を受けた三浦梧楼・日本国全権公使の指揮の下に王宮に乱入した日本軍・日本人によって殺害されるという世界史上例のない凶悪な事件が起きた。その詳細については、長年にわたって追及してきた歴史研究者・金文子さんの労作「朝鮮王妃殺害と日本人」(高文研刊)が必見である。

 実は、この著書が点字訳されて間もなく出版されることになり、著者から登場人物や地名の朝鮮語読みなどについて頼まれ、協力した。

 日本の過去を美化する司馬遼太郎作品「坂の上の雲」がNHKで放映されているが、その番組説明などで、「この事件は閔妃に不満を持つ大院君や開化派勢力、大院君を中心とした開化派武装組織によって景福宮にて暗殺された」と、いまだにその責任を朝鮮側に擦りつけている。しかし、事実を捻じ曲げているのが日本であることは疑いようもない。

 金さんは徹底的に事件を追及して、この暴挙の首謀者は川上操六日本陸軍参謀次長、実行犯は朝鮮公使・三浦梧楼であること喝破した。川上と三浦は、その後も日本の朝鮮侵略のあらゆる局面で暗躍し、それゆえに顕彰され続けている。点字訳が出て、さらに多くの人々に歴史の真実が照らし出されることを願う。(粉)

[朝鮮新報 2011.2.10]