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視点


 15日に関東・甲信越を中心に降り続いた大雪はまだ完全には解けていない。だが、敵対国同士には雪解けムードが広がりつつある。1979年のイラン革命以来、こう着状態が続くイランと米国の間の話しだ。

 8日に放映された米CNNとの会見で、イランのハタミ大統領は政府間対話を含め対米関係改善に前向きな姿勢を示し、まずは文化面の交流から始めようと呼びかけた。

 米国務省のルービン報道官はすぐに歓迎の意を表明、国家安全保障問題担当のバーガー米大統領補佐官も11日、「米政府はイランとの関係改善を望んでいる」と、意欲をにじませた。

 イランへの渡航制限やビザ発給制度の緩和に向け、米政権が検討を始めたとも報道された。

 来月テヘランで開かれる国際大会に米アマチュア・レスリングチームの参加が決まるなど、改善を示す実際の動きも少しずつだが見られる。

 イランと米国は、79年のイラン革命で関係が冷却化し、80年に断交、米国はイランを「テロ支援国」と決め付け、孤立化政策をとってきた。イラン国民の反米感情には根強いものがある。

 このような両国が対話による関係改善を模索することは、世界の平和安定に向けた肯定的な動きとみて良いだろう。

 朝米関係も、94年10月の基本合意文に沿って、改善の道を歩み続けている。こうした動きの積み重ねが、真の冷戦終結をもたらすことと期待したい。(聖)