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98共和国――経済動向/各担当者に聞く(3)電力

チュウ・ドンイル電力工業部副部長


5月まで300万キロワット水準目指す/中小型発電所、毎年500ずつ建設

 

北倉火力で100万キロワットを

 今年の共同社説は、堅忍不抜の志で石炭と電力の問題を同時に解決することを課題として提示している。

 昨年、旱ばつ被害も出たように雨が少なかったため、元来、320万キロワットの能力を持つ水力発電が現在、70万キロワット水準まで落ち込んでいる。そのため、火力発電に力を集中させなくてはならない。わが国の火力発電の主要エネルギー源は石炭であるため、電力と石炭の問題は同時に提起される。

 共同社説は、北倉火力発電連合企業所(平安南道)をはじめ現存発電能力を最大限、効果的に利用すべきだと強調した。

 金正日総書記が示した同発電所の目標数値は100万キロワット。現在、北倉火力では16基あるボイラーのうち8基を回し、50万キロワット水準で発電している。われわれは、2月中旬まで5基増やして13基を回し、100万キロワットの目標を達成するつもりだ。

 私自身、年初から北倉火力に出かけてきたが、この目標を達成できる見通しは十分に立っている。石炭工業部門でも、軍人と労働者が協力して北倉火力に送る石炭を保証するためにたたかっている。

 同時に、平壌火力発電所を現在の20万キロワットから30万キロワット水準に、その他の火力発電所の合計を現在の25万キロワットから40万キロワット水準に上げる。これらすべてを合計すると170万キロワット。火力の目標である150万キロワットを超える。これは共和国の火力発電の総発電能力(300万キロワット)のほぼ半分、経済活性化の突破口を開くことのできる数字だ。

 今冬は雪が多いので、春になって雪解けすれば、水力発電も回復するだろう。4月中旬まで100万キロワット水準に、5月中には150万キロワット水準に上げたい。

 この時まで、火力が150万キロワットを達成する予定なので、合計すれば300万キロワットとなり、土台を生かして電力問題を基本的に解決するという今年の課題を立派に貫徹できよう。

 

風力、潮力なども研究

 共同社説がもう1つの重要な課題として掲げたのが、1万キロワット以下の中小型水力発電所の建設だ。

 われわれは80年代後半から中小型水力発電所建設に取り組んできた。現在まで約300ヵ所に建設され、地域や工場、企業所単位の電力需要を満たすのに役立っている。

 一方で、風力、潮力、地熱などの自然エネルギーによる発電も研究中だ。

 また現在、琴湖地区で2003年の完成を目指して軽水炉発電所(100万キロワット)が建設されているが、新たに原子力発電を始めるに伴い、2002年を目標に送電システムを世界的レベルに合わせて改善する計画だ。とくに送電線を改良し、電力損失を最小限に抑えるために努力したい。

 

自力で需要満たす

 昨年、苦しい中でも現存の設備を整え、火力発電の動力源を供給する石炭工業部門とも連携して今年に備えた。

 すでに土台はできており、後はわれわれがいかにうまく計画を推進するかにかかっている。年初から私たち幹部は現場に入って、ともに計画を練り、労働者たちを鼓舞している。

 電力は経済の生命線とも言える。私たちは外国の協力で軽水炉建設をしているが、それだけに頼るのではなく、自らの力で多様な各種発電所を建設し、国の電力需要を満たしていくつもりだ。(平壌発=本社韓東賢)