視点
「いったいいつまで続けるの、という感じが米国、韓国や国際社会から出てきている。凍結解除を真剣に検討しなければいけない時期に来ている」。高村外相が9月29日、閣議後の記者会見で語った言葉だ。「いつまで続けるの」と言われているのは朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)への協力見合わせのことである。
日本政府は共和国の人工衛星打ち上げとからめ、「制裁措置」の一環としてKEDOへの約10億ドルの拠出約束の署名を留保した(総工費は46億ドル)。それだけでなく @日朝国交正常化交渉の凍結 A食糧支援の棚上げ B直行チャーター便の運行中断など矢継ぎ早に発表した。
KEDOの問題が後の3つと違うのは、これが朝・日の2国間問題ではなく多国間問題だということだ。
米国や南朝鮮が衛星と確認した後も、日本だけは「弾道ミサイル」に固執し、国際的にも完全に浮いた存在になっている。米国や南朝鮮はKEDOの問題をめぐって、日本に翻意を求めていた。それが9月24日の米、日、南の外相会談で、KEDOの枠組みについて「維持する重要性を確認」(日本経済新聞9月25日付)する結果となったと言えよう。
日本は米国の情報に踊らされて「制裁措置」を取ったが、そもそも人工衛星打ち上げに「制裁」を課すこと自体誤っている。KEDOだけでなく今からでもすべての「制裁」を解除すべきだ。(聖)