時事・解説/金正日総書記推戴から1年
21世紀に強盛大国/一心団結、自力更生で経済発展
金正日朝鮮労働党総書記推戴から8日で1周年を迎える。共和国創建50周年(9月9日)の直前に開催された同月5日の最高人民会議第10期第1回会議では、総書記が「国家の最高職責」である国防委員会委員長に推戴された。これによって総書記は名実共に党と国家、軍隊の最高首位に就いたことになる。この間、総書記は、帝国主義者による共和国圧殺・孤立策動を粉砕すると同時に、一時的難関を経ている経済問題解決に尽力し、朝鮮式社会主義建設を力強く推し進めて社会主義体制を固守発展させてきた。共和国は今、総書記の指導のもと21世紀にチュチェの強盛大国、自立経済の強固に発展した社会主義朝鮮をつくろうとしている。(基)
世界的水準に
「強盛大国」とは、政治、軍事、経済、文化などすべての分野を世界的水準に高め、人々の自主的で創造的な生活を保障することだ。「思想の強国を作ることから始まり、軍隊を革命の柱として確固と整え、その威力で経済建設の飛躍を成し遂げるのが総書記の主体的な強盛大国建設方式」(労働新聞8月22日付)である。
「強盛大国」を建設するには何よりもまず、党と軍隊、人民の一心団結を成し遂げなければならない。共和国では「昨年のたたかいを通じて、朝鮮革命の隊列は政治思想的に鍛練され、より純粋さを増し」(今年の共同社説)、社会主義体制は政治的にさらに強化された。
軍事面では、帝国主義者による共和国圧殺・孤立策動から国を守るために防衛力が引き続き強化された。また、朝鮮人民軍は「革命の柱、主力軍」として農業に携わったり、安辺青年発電所(旧金剛山発電所)など経済建設にも従事してきた。これは「祖国防衛も社会主義建設も人民軍が責任を担う」共和国の独特の政治スタイルを示すものだ。
経済面では、89年から91年にかけてのソ連・東欧社会主義体制の崩壊による社会主義市場の喪失、米国などによる経済封鎖、95年以来3年続きの自然災害などによって、社会主義経済建設で困難を余儀なくされた。
しかし朝鮮人民は、人民軍が発揮した自力更生の精神を見習い中小型発電所を各地に多数建設してエネルギー問題を自力で解決した。ここ数年続いた「苦難の行軍」の「困難な峠を成功裏に克服」(今年の共同社説)した。その過程で「社会主義をしっかりと固守できる政治思想的基礎と軍事力を整え」(労働新聞2月16日付)ることができたのである。
人民軍の精神手本に
8月31日、共和国は多段式ロケットで初の人工衛星「光明星1号」打ち上げに成功した。ここには建国50周年を迎え、100%国産技術で衛星を打ち上げたという成果を持って今後「強盛大国」を作り上げるという意気込みが込められている。
人工衛星打ち上げ成功を報道した労働新聞9月5日付は、「強盛大国の初砲声がなった」という労働者の声を紹介した。
共和国では総書記の指導により、6年前に「光明星1号」と運搬ロケットが完成していた。
総書記は共和国の科学者、技術者が研究で難関に直面した時、「初めが肝心、私は必ず成功するものと信じる、勇気を出して失敗の原因を探ろう」(9月21日発朝鮮中央通信)と述べ、彼らを励ました。
つまり科学者、技術者たちが、スローガン「党が決心すればわれわれは行う」のように政治的に鍛練され、人民軍が発揮した自力更生の精神を手本にしたからこそ、衛星を自力で開発、打ち上げ、科学技術分野と経済力で国の大きな潜在力を示すことができたのだ。
労働新聞8日付によると、総書記は人工衛星打ち上げ成功に貢献した科学者、技術者と労働者に感謝文を送り、その成果について「帝国主義反動勢力の孤立・圧殺策動と厳しい試練を克服する条件のもとで成し遂げられたものとして、わが人民にこの上ない誇りと自信を与えた」と指摘した。
まさに衛星打ち上げ成功は、共和国創建以来50年間、蓄積された共和国の政治、軍事、経済の威力を世界に誇示するとともに、「ここ数年繰り広げてきた『苦難の行軍』の勝利を知らせる砲声であり、強盛大国への進軍を促進するチュチェ朝鮮の雷鳴」(労働新聞9月8日付)となった。
ちなみに労働新聞8月22日付は、総書記が「われわれが現在一時的難関を強いられているが、遠からず社会主義強盛大国を建設することができます」と語ったことに触れながら、近いうち「雷が鳴る」と暗に衛星打ち上げを示唆していた。
「強盛大国」を建設するカギは自力更生にあると言える。人民軍が示した自力更生の精神は、衛星打ち上げに携わった共和国の科学者、技術者だけでなく、自力で各地に中小型発電所を建設したようにすでに国のすみずみにまで行き渡っている。その精神が今後、共和国の自立的民族経済をさらに発展させる土台となり、21世紀の共和国、金正日時代を輝かせる礎となろう。