作文/「運動会」 茨城朝鮮初中高級学校の中級部3年 呂麻理さん
今年4月、日本の中学校から茨城朝鮮初中高級学校の中級部3年に編入した呂麻理さんが、ウリハッキョでの初めての運動会を前にした気持ちを綴った作文「運動会」を紹介する。
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「ハナ・トゥル・セッ・ネッ…」
校庭中に声を響かせ、目前にせまった運動会に向けてダンスの練習にも力が入ります。
私はこの練習が楽しくて楽しくてたまりません。去年の運動会はただ見ているだけでしたが、今年は主役の一人だから、人一倍楽しくてたまらないのです。
運動会――それが私とウリハッキョとの初めての出会いでした。
去年の2学期、私のオンニはウリハッキョに編入しました。進学校に通っていた私は、オモニとオンニがハッキョの話を生き生きと楽しそうに話す姿を見て心が大きく揺れました。
私も共通の話題を持ちたい。親戚の人たちとウリマルでかっこ良く喋ってみたい。死にものぐるいで勉強して入った今の学校、友達はとても大切だけれど、ウリハッキョに行ってみたいなぁ、という気持ちが強まっていきました。夜も眠れず、これからのことを色々考えました。
そんな時、オンニが「麻理、行こうよ!」と声をかけてくれました。ちょっとびっくりしました。それまで私には、日本の学校で頑張れと言っていたオンニだったからです。私は嬉しくて嬉しくて、思い切ってウリハッキョに編入することに決めました。
ウリハッキョに行ったら、オンニより早くウリマルを覚えよう。勉強は常にトップでいるぞ! ウリハッキョに来て良かったと思う生活にするぞ! などと、希望はどんどん膨らんでいきました。こうして私は寄宿舎に入りウリハッキョに通うことになりました。
4月は緊張のため言葉の少なかった私ですが、今では別人のようにワイワイとクラスのトンムたちと楽しい日々を送っています。
最初の頃は、寄宿舎で部屋のトンムたちといっぱい衝突がありました。私は初めての寄宿舎生活なので、くじけてばかりでした。そのたびにオモニに電話して、私の気持ちを全部話して、たくさんのアドバイスをもらいました。友達関係で悩んでいる時には、その人と向き合って正直な気持ちを言うことが大切だと教えられました。ホームシックになった時には、愛情たっぷりの手紙を送ってくれたりもしました。
そんなオモニは、最後に必ず、「自分でウリハッキョに行くって決めたんでしょう」と言います。そう言われると、私はドキッとして、初心にかえって頑張らなければという気持ちになるのです。
オモニは私にとって、とても大切な元気の源です。 私は、オモニの母校であるこのウリハッキョで、祖国の文化に触れながら、新しい自分をたくさん見つけて行きたいと思っています。そして、オモニの様な考え方の素晴らしい立派な朝鮮人になりたいです。
運動会まで、あとわずか。今度は私が見に来てくれた人たちに感動を与えたいと思っています。