視点
南朝鮮「大統領」金大中訪日の際、特別随行員として同行した崔相龍高麗大教授は、金大中の国会演説中、「400年前に日本が韓国を侵略した7年間」という個所があるが「豊臣秀吉」という名前はあえて出さなかったと日本マスコミのインタビューで明らかにした。朝鮮人にとっては侵略者でも、日本人にとっては「英雄」というのを考慮したからだという。
一方、来月下旬に予定されている「韓」日経済閣僚懇談会が鹿児島で開催される。同地では今月下旬から11月末まで「薩摩焼発祥400周年」記念行事が開かれるので「日韓交流の場所としてふさわしい」(外務省筋)というのが理由。
薩摩焼をはじめ有田、萩、高取焼などは豊臣秀吉の朝鮮侵略と切り離しては考えられない。
秀吉が朝鮮を侵略した時、多くの民族文化遺産を略奪しただけでなく、西国大名らは朝鮮の陶工を日本に拉致し陶磁を作らせた。これが各地の陶磁の発端となったからだ。秀吉の侵略が「やきもの戦争」といわれる所以だ。
当時、拉致されたのは陶工だけでなく学者、婦女子など5万人とも10万人とも言われている。16世紀のこの犯罪を「第一次強制連行」という人もいる。
今回の訪日では、20世紀の犯罪である「従軍慰安婦」問題にも触れられなかった。過去の侵略の事実や責任を避けたままの「21世紀に向けたパートナーシップ」は虚しく聞こえるだけだ。(喜)