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羅津―先鋒経済貿易地帯/現地で投資ディスカッション


開発促進へ共和国意欲/11カ国42企業、111件契約

 共和国の羅津―先鋒経済貿易地帯で9月24日から3日間、「羅津―先鋒投資ディスカッション」が催された。海外からは国連開発計画(UNDP)など国際機関の関係者をはじめ、日本、米国、中国など11ヵ国から70余の企業、約100人が参加。国内の参加者を含め約200人が集まり、内外の関心の高さを示した。(根)

 

「一層の支援必要」

 今回のディスカッションは、外国投資家や海外同胞商工人を対象に催された説明会としては2年ぶり。一昨年9月、朝鮮対外経済協力推進委員会(対経協)とUNDP、国連工業開発機関(UNIDO)の共催により「羅津―先鋒地帯国際投資・ビジネスフォーラム」が開かれて以来だ。

 初日には地帯開発に関する共和国側の概括説明と外国企業代表のスピーチがあり、2、3日目は個別面談と現地視察に当てられた。

 対経協代表は概括報告で「今まで同様、今後も地帯開発をしっかりと進め、東北アジア諸国の地域経済協力・交流の発展に寄与していきたい」と述べ、地帯開発と投資誘致に並々ならぬ意欲を示した。また外国企業代表も「羅津―先鋒地帯が栄えるには、より多くの外国企業、組織が投資を通じて支援することが必要」(アイリス・ヤン香港エンペラーグループ会長)など、さらなる投資の必要性を訴えた。

 羅津―先鋒地帯への外国投資契約件数は昨年12月末現在で111件で、投資金額は約7億5000万ドル。11ヵ国の42企業が、道路や飛行場、港湾、ホテルの建設、通信分野などに投資する合弁、合作、単独企業を設立している。

 国別で見ると、中国が68件(約2億8160万ドル)、日本(在日同胞含む)が21件(約7822万ドル)、香港が11件(約3億1854万ドル)、英国が3件(約2000万ドル)などで、オランダやタイなども投資を行っている。

 また昨年1年間の外国人往来者数は、各国のビジネスマンや羅津市場を訪れる中国朝鮮族など約4万人。うち約6000人が観光客だ。

 

進むインフラ整備

 今回、2年ぶりに現地を訪問した朝・日輸出入商社の朴應星社長は、地帯開発はなかなかうまく進んでいないのが現状だとしながらも、「インフラ整備をはじめ様々な分野で重要な変化が見て取れた」と語る。

 具体例を挙げると、タイのロックスレー社が手掛ける通信インフラ整備は第1段階が終わり、国際電話やファクスなど地帯内の通信手段が整った。現在は第2段階として、本格的な通信センター建設が進んでいる。

 交通アクセスの分野では、英国の新東北亜投資会社との合弁で始まった、羅津〜中国・延吉をヘリコプターで結ぶ計画で、ヘリポートや事務所などの関連施設が完成。今年中に新たな契約によりヘリコプターが2台納入されるという。

 中国・延吉の現通海運集団公司が手掛けるコンテナ運航は、将来的に現在の羅津〜南朝鮮・釜山間航路が日本(大阪)まで延長される予定だ。香港タイソン社との合弁による元汀―羅津間の道路整備プロジェクトも路盤整備が進んでいる。

 観光事業でも、在日同胞との合弁による高級ロッジ風の琵琶観光宿舎が昨年7月に完成しており、また香港エンペラーグループによる五ツ星ホテル建設も着々と進行中だ。今年3月には羅津市場が東明洞にオープンし、日夜、活気にあふれている。

 また、UNDPの協力による羅津企業大学校(ビジネススクール)と羅津―先鋒情報センターが9月24日に開校するなど、地帯開発のための国際貿易管理技術の専門家を育成する活動も始まっており、羅津―先鋒地区は国際中継貿易・貨物輸送、総合輸出加工、観光・サービス業の3つの機能を持つ総合的なフリーゾーンを目指して開発が進められている。