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沖縄、朝鮮問題について/佐久川政一沖縄大学教授に聞く


支配と従属関係に終止符/米軍撤退でアジアの緊張緩和を

 チュチェ思想研究会全国連絡会会長の佐久川政一沖縄大学教授に、沖縄における米軍基地返還問題、朝鮮問題などについて聞いた。(談、文責編集部)

 

自主的に運命を開拓

 沖縄にとって最大の問題は米軍基地の存在だ。沖縄の基地が朝鮮戦争の際には米軍の朝鮮出撃基地として、そしてベトナム戦争時にも基地として利用されたことから、沖縄の人々は米軍が加害者であるとの意識を強く抱いている。

 沖縄の自主化を実現するには、米軍を撤退させることが不可欠だ。

 日本の民主主義、沖縄の平和を実現するために、われわれは自主権を主張し、自主的に自らの運命を開拓しようとしてきた。つまり沖縄の人々は自主・自立・共存をキーワードに米軍からの解放をめざしてたたかってきたわけだ。それは自主・自立・平和をキーワードにしたチュチェ思想と共通する。

 

共和国人民の意思尊重

 沖縄の面積は日本本土の0.6%しかないが、そこには在日米軍4万2000人の7割が存在し、海兵隊を中心にした兵力が集中している。それは沖縄の米軍基地が朝鮮半島情勢と連動しているからだ。

 日本や朝鮮半島、アジアの平和を保障するには、南北朝鮮の統一が実現され、沖縄から米軍が撤退することが何よりも必要だ。米国は朝鮮統一後も南に軍を駐屯させると言っているが、それは統一した朝鮮人民の意思を尊重するものではない。

 昨年3月に訪米した際、米国の学者、国防総省の関係者らと意見交換したが、彼らは共和国が突然、何をするかも知れず「脅威」になるので、在日米軍4万2000人を含む東アジアに駐屯する10万米軍兵力を動かすことはできない、と言っていた。米国は「共和国の脅威」を口実に、自らの軍事戦略を正当化しようとしている。

 だからアジアの緊張状態を緩和するには、沖縄からだけでなく、朝鮮半島からも米軍を撤退させるべきだ。米国による支配と従属という関係に終止符を打つことが何よりも大切だ。

 

軍国主義の復活に警戒

 日本政府は共和国の人工衛星打ち上げを口実に軍拡を推進しようとしている。実際、莫大な資金を投じて戦域防衛ミサイル(TMD)構想などの研究を米国と一緒になって進めようとしている。最も恐ろしいことは、かつての軍国主義国家が復活することで、警戒する必要がある。

 日本では何よりも平和憲法の原点に戻って、戦争のない日本、平和な日本を目指して運動を展開していくことが求められる。