米・南合同軍事演習中止を求める祖国平和統一委員会の声明
10月24日から11月2日まで「朝鮮半島有事」を想定した米・南合同軍事演習が行われることと関連し、祖国平和統一委員会スポークスマンが21日に発表した声明の内容は次のとおり。(朝鮮通信)
今回の演習には駐南米軍と南朝鮮軍はもちろん、在日米軍の空母キティホークやミサイル巡洋艦ビンセント、上陸作戦に使われる強襲揚陸艦ベローウッドをはじめ6隻の艦船、沖縄駐屯米海兵隊第3海兵遠征軍などが参加し、米第7艦隊旗艦ブルーリッジが日本の横須賀基地から演習を直接指揮するという。
この演習は徹頭徹尾、共和国に対する全面攻撃、奇襲攻撃を想定したものであり、朝鮮半島情勢をより緊張させ、戦争の瀬戸際に追い込む危険なものである。 われわれに対する「効率的な攻撃」をうんぬんして、演習に膨大な兵力と作戦装備を投入しようとしているだけでなく、演習を通じて横須賀を中心とする在日米軍基地を南朝鮮と同様、北侵戦争の第1線基地、戦略的拠点に作り上げようとしている事実が、それをはっきりと物語っている。
在日米軍基地はかねてから、米国の対朝鮮侵略政策遂行のための主要兵站補給基地、出撃基地と化している。このような地位と役割は昨年、米国と日本が合意した「新たな日米防衛協力のための指針」(新ガイドライン)でより確固なものとなった。
日本との軍事的結託を段階的に拡大強化している米国は、今回の演習を通じて、在日米軍基地を単なる兵站補給基地、出撃基地としてだけではなく、戦線指揮の拠点にまで作り上げようとしている。
米国は、朝鮮戦争挑発後に南朝鮮にある自らの指揮システムが破壊された場合を想定し、横須賀に配備された米第7艦隊旗艦ブルーリッジを通じて演習を総指揮しようとしている。そして「有事」の際、日本の基地から南朝鮮と日本、周辺海域のすべての陸海空作戦武力を統一的に掌握し、共和国を同時に、立体的に攻撃しようとしている。
これについて、外信さえも「今回の演習は日本の基地が実戦指揮の中枢となり得ることを示すものだ」と憂慮を示している。
米国はまた、戦域ミサイル防衛(TMD)構想の実現を唱え、演習を通じてわれわれに対する強力なミサイル攻撃システムを作り上げようとしている。
朝鮮戦争挑発後に起こり得る事態まで想定して繰り広げる今回の演習はまさに、その幅と深さ、手法と企図において前例のない危険な北侵戦争演習である。
米国と南朝鮮は演習を通じて北侵戦争武装態勢を総点検し、戦争準備を最終的に完備することで、任意の時刻に共和国を奇襲しようとしており、ひいては米・日・南の三角軍事同盟をより強化し、日本を自らの反共和国圧殺策動に引きずり込もうとしている。
今回の演習は、第3回4者会談の前途をも暗くしている。4者会談は名実共に、朝鮮半島の平和のために必要なものである。朝鮮半島の平和を脅かす戦争挑発策動と両立できないことは、誰の目にも明らかだ。
表では対話をうんぬんしながら、裏では対話の相手の背に刃を刺そうとする卑劣な行為は絶対に許されない。
われわれは、極めて無分別で危険な戦争挑発策動によって朝鮮半島情勢を破局に追い込み、国の平和と平和統一に対する全同胞の志向と要求に真っ向から挑戦する米国と南朝鮮を、全朝鮮民族の名において断固糾弾する。
われわれは、国の平和と統一のために対話が必要であり、民族の運命のために平和が大切だが、それを哀願する考えはない。
米国と南朝鮮は事態の重大さをしっかりと見据え、演習を即時中止させなければならない。
日本当局者は米国と南朝鮮の反共和国戦争策動への荷担がもたらす破局的結果をよく考え、自らのためにも分別を持って振る舞うべきであろう。
米・日と南朝鮮が万一、われわれのたび重なる警告にもかかわらず、あくまで戦争の道へと進むならば、朝鮮人民と人民軍は侵略者を徹底的に追い払い、民族の自主権と祖国の尊厳を守るであろう。