千葉初中のバザー/16回目、1000人で賑わう
各地の朝鮮学校でバザーが盛んに開かれる季節になった。各校の父母組織などが中心となり、学校運営を支援するとともに日本市民に民族教育への理解を深めてもらおうと催しているもの。東京第1、第4、第5、西東京第1、千葉の各朝鮮初中級学校でも25日、バザーが開かれ、多くの同胞と日本市民らで賑わった。千葉市花見川区の千葉初中を訪れた。(南)
千葉初中のバザーには、父母や生徒、卒業生、日本市民ら約1000人が訪れた。
同校オモニ会が主催するバザーは、16年前のオモニ会結成当初から学校運営の一助にと毎年欠かさず行われている。地域での交流を通じて民族教育に対する理解を広げようとの思いから毎年、近隣に住む日本住民にもビラを配るなどして参加を募ってきた。4年前からは、自治体や町内会などの協力を得て回覧板なども利用し、さらに幅広い地域の住民に参加を呼びかけている。
会場となった運動場には、30余店舗の各種模擬店が設けられた。
当日販売された食器、バッグ、衣類、植木、手作り品、雑貨などの品物は、オモニたちが各世帯に呼びかけて集めたほか、靴下、タオルなどの日用品は直接問屋で買い付けてきたもの。いずれも開店前から行列ができ、終始賑わいを見せていた。また、オモニ会の手作りキムチは日本の人たちに大好評で、白菜350個分が1時間あまりで完売してしまうほどだった。
最前列に並んでいた村松明香さん(31、千葉市在住)は「近所の人からキムチがとてもおいしいと聞いてぜひ食べてみたいと思っていた。朝鮮学校は初めてだがとても賑わっているのでびっくりした」と言う。また、佐藤弘さん(72、検見川市在住)は「これまで朝鮮学校の前を通ることはあっても近寄り難いと思っていたが、バザーという文字につられて立ち寄ってみた。生徒も父母も生き生きと楽しそうで活気に満ちている」と話していた。
昨年1月に結成された19〜29歳までの同校卒業生による連合同窓会「オソルパラム」では、子供たちに人気の「ポケットモンスター」グッズが当たるくじ引きコーナーを出した。白浩臣会長(29)は、「若い世代の母校離れが年々進み、朝鮮人としての自覚も薄れている状況の中で、今日は約30人の会員が手伝ってくれてとても嬉しい。今回初めて出店したが、生徒たちに大好評だった。私たち連合同窓会が中心となって今後も学校を支援していきたい」と語る。
同校オモニ会の鄭錦実会長(45)は「同胞だけでなく、多くの市民が集まってくれて、品物も食べ物もほぼ完売だった。各世代のオモニたちが一つになり力を合わせたからこそ大成功を収められた」と嬉しそうに話していた。