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民族の和解と団結へ/鄭名誉会長の再訪北(下)


合意の意義/「統一早める大きな一歩に」

石油開発も推進

 訪北を終え帰還した鄭夢憲会長は10月31日、現代グループ本社で会見し、「金正日国防委員長と会い、石油開発および金剛山に対する現代の独占開発について合意した」(東亜日報2日付)と発表した。

 現代側は金剛山観光事業のほか、@20万トン規模の中古船舶解体事業 A平壌に10万キロワット能力の火力発電所建設 Bミネラルウォーター開発 C自動車輸出のための組立工場建設 Dカーラジオ組立工場建設 E通信事業 F現代側が入札した第3国の建設対象への共同進出 G工業団地開発 H石油開発・供給――の9項目の南北経済開発協力事業で北側と合意、またスポーツ分野の交流協力のために平壌に室内体育館を建設することにした。

 金剛山観光は今月18日に第一陣が4泊5日の日程で出発する予定。観光客を乗せた大型クルー船が江原道(南)の東海港を出発して江原道(北)のチャンジョン港に向かう。

 一方、石油問題について言えば、共和国の原油工業部が発表した資料によると、30年間の地質学・地理物理学的分析とボーリングの結果、原油埋蔵地は7ヵ所で、うち西朝鮮湾盆地と安州盆地が有望。97年9月にカナダのカンテック社が米国で発表した資料では、「朝鮮西海岸の大陸棚606号地区に50億〜400億バーレルもの原油が埋まっている」という。

 金正日国防委員長は鄭周永名誉会長との会見の際、石油埋蔵量を調査した膨大な資料を自ら示している。

 

民間交流の模範

 金正日委員長と鄭名誉会長との会見、北側と現代側との一連の合意は、「全民族が大団結して祖国の自主的平和統一を成し遂げよう」(金正日総書記の4月18日付書簡)発表後に結ばれたものとして注目される。書簡は、祖国統一方針を新たに集大成し、民族大団結5大方針を示しながら、「われわれは、南朝鮮の執権上層や、与党と野党の人士たち、大資本家、軍の将官たちも民族共同の利益を重んじ、国の統一を願うならば、彼らとも民族大団結の旗印のもとに団結するでしょう」、「同胞間の往来と接触、対話と連帯・連合を広範に実現することは、民族の大団結を実現する重要な方途の一つであります」と指摘している。

 現代側は、金剛山見学を希望している南朝鮮人民の願いを反映して金剛山観光事業を提案した。これは民族自主の精神、愛国愛族の精神に基づくものだ。

 つまり金正日委員長と鄭名誉会長との会見など一連の動きは、民族大団結5大方針を実現しようとする中で行われたと言える。

 金剛山観光事業などが順調に実現すれば、南北の自由往来、民族の和解と団結のための礎を作ることにもつながり、祖国統一のための連帯・連合の道を切り開くものともなろう。鄭名誉会長も、一連の事業を行って、祖国統一を早める大きな一歩にする意思を表明している。金剛山観光事業などの南北経済協力事業は、今後の「民間クラス交流の模範」となろう。

 

成果如何は南当局に

 このほかにも南北経済協力事業が多数、浮上している。南で「政権」が交代した2月現在、南当局が民間企業に承認した南北経済協力事業は「7件だったが、10月末現在、現代グループによる金剛山観光開発など7件が加わり総数は14件」(読売新聞1日付)となった。

 ところで鄭名誉会長は89年に訪北し、北側と金剛山開発に関する議定書をいったん採択したが、当時の盧泰愚「政権」が「承認」しなかったため白紙化された。しかし今回の合意は、2月に南で「政権」が交代し、現執権者が政経分離の原則に沿って協力と交流を推進すると主張した後に行われるもの。南北経済協力事業の成功如何は、全面的に南当局側の態度にかかっていると言える。 (基)