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東京朝高1年の女生徒、刃物で切られる


 東京朝鮮中高級学校高級部1年の女生徒(15)が5日の下校時、JR新宿駅のホームで見知らぬ男に手の甲を刃物で切りつけられるという事件が起きたことと関連し、被害者の女生徒と母親、具大石校長らが9日、同校で記者会見した。

 被害にあった女生徒は5日午後7時頃、十条駅からJR埼京線に乗り、新宿駅で下車。乗り換えで総武線ホームへの階段を降りていると、茶髪の20歳過ぎ位の男2人が近寄り「お前朝鮮人か!」と言った。怖くて何も言えずにいると、1人がカッターナイフを取り出し女生徒の左手の甲に切りつけ、2人は逃げた。女生徒はトイレに駆け込み血のついた手を洗ったが、怖くて外に出られず、2時間ほど閉じこもって泣いていたという。切り傷は4センチほどで全治1週間。6日、新宿署に被害届を出した。

 女生徒は「私だけでなくほかの子たちにも、2度とこんなことがないようにしてほしい。事件の翌日、学校に行くのは辛かったが、やっぱり自分の国の服だからと思いチョゴリを着て行った。これからもそうしたい」と涙ぐみながら訴えた。

 女生徒の母親(45)は「娘にとって、手の傷よりも心の傷が大きいだろう。こうした不穏な空気の中で毎朝子供を送り出すのは気が気ではない」と話した。

 学校関係者によると、共和国が人工衛星を打ち上げた9月以来、都内の朝鮮学校生徒に対して起きた暴行・暴言事件は12件だが、傷害事件は今回が初めて。7日には東京中高高級部3年の女生徒が駅のホームで顔に唾を吐きかけられるという事件もあった。

 具校長は「人工衛星打ち上げから2ヵ月が過ぎているのに、こうした事件は収まるどころかエスカレートしている。日本政府と警察は子供たちの身辺保護に関心を寄せ、事件の再発防止に全力をあげてほしい」と語った。