「オータムフェスティバル」/北海道初中高、道内の日校生と交流
「少しでも多くの同胞児童に民族教育を」と、各地の総聯組織と朝鮮学校では、様々な場を通じて努力を重ねている。北海道朝鮮初中高級学校(札幌市豊平区)では3年前から、道内の日本学校に通う同胞児童を対象にした「オータムフェスティバル」を開催。フェスティバルは、日校生らに実際に朝鮮学校に来てもらい、朝鮮学校生徒との交流を通じて「民族」に触れてもらおうと企画された。
今年の「オータムフェスティバル98」は10月10〜11日に行われ、日校生72人と北海道初中高の生徒70余人が参加。1泊2日をともに過ごした。
初日午前はまず、北海道初中高生徒が出演した学芸会を全員で観覧した。朝鮮の舞踊や歌などに初めて触れる日校生らも少なくなかったが、朝鮮舞踊が好評だった。
同日午後、初級部(小学生)は、朝鮮学校生徒と日校生の混合でいくつかのチームに分かれて運動会を行った。ほとんどが初対面同士であったにも関わらず生徒らは互いにすぐに打ち解けていた。
一方、中・高級部(中・高校生)は、共和国の歴史に関するビデオを見た後、総聯北海道本部の金文谷委員長による「在日朝鮮人運動の現状と私たちの未来」という講演を聞き、グループ別にディスカッションを行った。
続いて、運動場ではクイズゲームや焼肉パーティーなども行われ、生徒らは和気あいあいと楽しい一時を過ごした。夜、日校生らは同校寄宿舎に泊まり、寄宿舎の生徒らと一緒に布団を敷いたり、夜通し語り合うなど、仲良く過ごした。 2日目午前の感想発表会ですべての日程が終了。生徒らは「また来年も会おうね」「来年からは一緒に朝鮮学校に通おう」などと話しながら互いに別れを惜しんでいた。
日校生の李華純さん(高2、帯広市)は「朝鮮学校に通う生徒たちはみんな朝鮮人だということに誇りを持っていて、積極的で自分の考えをしっかりと持っている。私も高校を卒業したら朝鮮大学校で学びたいと思った。来年もまた参加したい」と話していた。
また、崔益奈さん(高3、札幌市)は「朝鮮学校の生徒と仲良くなれて嬉しかった。朝鮮学校の生徒はみな活気に溢れていて学校生活を心から楽しんでいる。交流会を通じて、日本社会で朝鮮人だということを隠さず堂々と生きていきたいと改めて思った。そのためにも、今まで良く知らなかった自分の国についてもっと勉強したい」と感想を語っていた。
同校の申京和教員(37)は「今年で4回目を迎えるフェスティバルは、青商会の会員らをはじめとする多くの同胞らの積極的な支援のもとで開催されている。年々着実に成果を上げており、昨年は5人の日校生が編入した。また、2、3回と続けて参加する日校生らも増えてきて、今では生徒らとも顔見知りになっている。何事も積み重ねが大切。 今後もフェスティバルを続けていきたい」と話していた。