総聯中央責任副議長、日本新聞協会の定期講座で講演
総聯中央の許宗萬責任副議長は19日、日本新聞協会が主催する定期講座で、講演した。
許責任副議長は、まず歴史認識の問題について述べ、朝鮮半島をはじめアジアと日本との間には歴史認識において溝があり、朝鮮に対する日本帝国主義の侵略と植民地支配での間違った大国意識が今日まで是正されずにきたと指摘した。
また戦後、朝・日関係を見れば日本が1965年の「韓日基本条約」締結後、南朝鮮一辺倒政策を追求し、共和国に対して一貫して非友好政策を取ってきており、これによって戦後53年が過ぎた今でも過去の謝罪と補償の問題が解決されていないと述べた。
国際慣例の見地からしても、道義的にも加害者が被害者を敵視することはあってはならないことで、日本において共和国に対する過去の謝罪と清算、関係改善問題は決して避けては通れない問題だと強調した。
続いて朝・日関係の推移について触れながら、次のように指摘した。
金日成主席と金正日総書記の指導の下、90年には3党共同宣言が発表され、91年から92年11月まで、朝・日国交正常化交渉が行われた。また、共和国は自主、平和、親善の理念の下、日本との関係改善のために終始一貫努力をしてきたにもかかわらず、日本は米国の対朝鮮政策に追従し議題と関係ない「事件」を持ち出し、会談に人為的なハードルを作り出してきた。このような不誠実で不当な行為によって朝・日関係は今も進展していない。責任は全的に日本側にあり、今後の行方は日本側の態度にかかっている。
さらに言論の対朝鮮報道の現況と問題点についても言及し、日本のマスコミが報じる共和国報道は「安企部」が捏造した「ソウル発」情報が何の検証もなく発信されていると指摘した。とくに、共和国の人工衛星打ち上げ以後、3ヵ月が過ぎたにもかかわらずミサイルだと報道していることは実に遺憾であり怒りを禁じ得ないと強調した。
また、在日朝鮮人と関連する最近の報道についてチマ・チョゴリの女学生に対する暴言、暴行と総聯千葉県本部での殺人放火事件、総聯中央会館と神奈川県本部に対する火炎瓶事件など、連日起きている人権侵害と迫害、とくに朝鮮総聯に対する卑劣な攻撃に対する不当性を伝える報道がほとんどないことに危機感を覚えると指摘した。
また、在日朝鮮人が共和国の海外公民として当然の権利を享有し、安心して暮らせるように日本政府が責任ある態度を取ると同時にマスコミも公正な報道をするよう強く訴えた。
責任副議長は「参政権」問題の反民族的本質について触れ、在日朝鮮人の基本的人権が侵害され差別と偏見が残っている中で「参政権」付与の問題が在日朝鮮人の基本的人権や国際化、共生の問題として扱われるのは本末転倒だと述べた。
さらに、朝・日問題の解決なくして日本の戦後はないと強調したうえで、各記者たちが正しい歴史認識を持ち、朝鮮問題とくに今くり広げられている在日朝鮮人に対する迫害と暴行、総聯組織に対する妨害策動の本質を直視し、公正に報道することを強く求めた。