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愛知中高、茨城初中高で公開授業


 愛知朝鮮中高級学校(豊明市)で11月15日、茨城朝鮮初中高級学校(水戸市)で14日、日本市民らも招いた公開授業がそれぞれ行われた。東京中高でも25日、同様の行事が行われたが、こうした行事が行われる背景には、共和国の人工衛星打ち上げ後、生徒に対する暴行・暴言事件などが起きている中、日本社会に朝鮮学校のことをもっと知ってもらおうという学校関係者と同胞、学生の共通した思いがある。日本人を対象にした公開授業やバザーなど、日本社会に理解を求めるための試みは近年、地域の初中級学校から広がってきている。

 

フリーマーケットも

愛知朝鮮中高級学校

 愛知朝鮮中高級学校では公開授業とフリーマーケットが行われ、日本市民と同胞父母ら500余人が訪れた。同校が公開授業・フリーマーケットに日本市民も招くのは昨年に続いて2回目だ。

 午前中、2時間の公開授業と、生徒らによる芸術発表会が行われた。

 高級部2年の英語の授業を参観した日本の大学院生は「教科書のレベルが高いことに驚いた。また生徒たちがとても活発だったことが印象深い」と話していた。また芸術発表会では、先日行われた今年の学生中央芸術競演大会で金賞を受賞したチャンダンノリ(民族打楽器の合奏)が披露され、「素晴らしい」と絶賛を浴びた。

 午後にはフリーマーケットが開かれ、運動場では朝鮮人参酒などの食料品や様々な雑貨類、食堂ではクッパ、ピビンパプ、チジム、トックなど、オモニたちが用意した朝鮮料理が販売され、好評を博していた。

 名古屋市から訪れた日本人の参加者は「今日は朝鮮を身近に感じることができた。こうした行事を毎年やってほしい」と話していた。

 

処遇改善へ世論を

茨城朝鮮初中高級学校

 茨城朝鮮初中高級学校での公開授業には、教員、政党・労組関係者をはじめとした水戸市内の日本人士と同胞父母ら120余人が訪れた。

 同校では、これまでも民族教育について広く知らせ、理解を得るために日本の学校や諸団体との交流を深めてきたが、対外的な公開授業を行うのは数年ぶり。最近の不穏な情勢に鑑み、毎年行っている公開授業に日本人士も招くことにした。

 日本人の来場者らはいくつかのグループに分かれて、それぞれ説明を聞きながら各教室を回り、興味深そうに授業を参観した。廊下で、生徒たちに「アンニョンハシムニカ」とあいさつされて笑顔であいさつを返すなど、微笑ましい光景も各所で見られた。

 公開授業の後には同校生徒らによる芸術公演と、学校関係者と日本人士らによる懇談会、またバザーも開かれた。

 市立千波中学校の中川實校長は「目を輝かせて授業に聞き入る生徒たちの明るい表情が印象的だった。自国に誇りを持っているのだと強く感じた。これこそが民族教育の優れた点であろう。今日は本当に来てよかったと思っている」と語った。

 社民党茨城県連合の小林啓一代表は「すべての授業が子供たちのために行われている印象を受けた。朝鮮学校を各種学校ではなく私学並みに処遇するためにも、朝鮮学校のことをもっと広く知らせて世論を盛り上げて行かなくては」と話していた。