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東京中高で朝・日親善の集い/新校舎竣工記念


 東京朝鮮中高級学校新校舎竣工記念朝・日親善の集いが11月25日、同校で開かれた。保坂展人、藤田幸久の両衆院議員、清水澄子、魚住裕一郎の両参院議員、東京都の檜垣正巳副知事、都議会の前島信次郎副議長、都日朝議連の宇田川芳雄会長、三木睦子元首相夫人をはじめとする国会、都議会、都内各区議会の議員、教育関係者をはじめとした各界の日本人士250余人と、総聯東京都本部の金守埴委員長をはじめとした総聯と学校関係者ら150余人が訪れた。参加者は、4月から使われている新校舎で高級部全24クラスの授業を自由に参観し、生徒による民族楽器演奏や民族舞踊の公演を観覧。新校舎多目的ホールで行われた祝賀宴に参加した。

 公演で合唱に出演した金文美さん(高3)は「朝鮮人としての誇りと民族性の大切さを訴えたいと思って一生懸命歌った。来てくれた人みんなが学校の処遇改善に努力してくれれば」と言っていたが、その思いは十分に伝わったようだ。清水議員は、「代を継いで民族性を守っていこうとする生徒たちの姿を見ながら、政府による朝鮮学校差別や民間による迫害行為など、生徒たちの思いを阻む日本社会の状況を早くなんとかしなくてはと強く感じる。現状を打開するのが国会議員の役割だ」と強調した。

 朝鮮学校差別問題で懸案となっているのは、国からの助成が一切なく、卒業生に大学受験などの資格が与えられないことだ。

 新校舎は、厳しい経済状況の中、同胞、保護者の寄付によって建てられたもの。伊藤萬太郎・台東区議は「朝鮮の人たちがカンパだけで13億円も集めたのは驚くべきこと。区としても、朝鮮学校に対する援助をもっと考えなくてはならない」と語った。日朝文化交流協会の林亮勝理事長は「校舎を建てて終わりではなく、これからも教育には莫大なお金がかかる。助成拡充の問題は切実だ。今日来た議員らはそのために努力してほしい」と訴えた。

 大学受験資格の問題についても、「明日の教授会で今日のことについて報告し、当大学が朝鮮学校卒業生の受験資格を認定するよう努力したい」(藤田進・東京外大教授)、「今後も学内で門戸開放を促す運動を続けていきたい」(炭谷昇さん、一ツ橋大2年)など、力強い支援の声が寄せられた。

 こうした声はもちろん、実際に授業を見て教材やカリキュラムも確認し、日本の学校とレベル的に何の遜色もないと判断したうえでのことだ。さらには、日本の学校とは違うアットホームな雰囲気や「生き生きして明るい」生徒と教員らの姿から、朝鮮学校での「人間教育、精神教育」の充実ぶりを感じる人も多かった。

 衆院文教委員の保坂議員は「民族教育の重要性を実感した。自民族の歴史、文化、言語を守り継承する権利はどの国でも普遍的に認められるべきで、植民地支配の歴史的経緯がある在日朝鮮人の場合は言うまでもない。最近、国連の自由権規約委も勧告したが、外国人学校に対するきちんとした処遇は今や国際的なルール。日本政府の対応を変えるため、今後も文相と議論していきたい」と話した。

 今回の集いは、共和国の人工衛星打ち上げ後、朝鮮学校生徒に対する暴行・暴言事件が相次ぐなど、学校と同胞社会を取り巻く空気が不穏な中で開かれた。それだけに、この行事を通じて一層の理解を得て、現状打開の契機にしようという生徒と学校当局、同胞らの思いは強かった。藤田議員は「暴行・暴言事件は、日本人の良心を問う問題。2度と起きないようにするためにも今後、身近なところから朝・日の信頼関係を築いていくことが重要だ」と語った。宇田川・都日朝議連会長は生徒の公演後、舞台上で、日朝国交正常化へ尽力する決意を表明した。