京都大学大学院の経済学研究科、教育学研究科も朝大卒業生に受験の道
このほど明らかになったところによると、京都大学大学院の経済学研究科、教育学研究科(共に修士課程)に、朝鮮大学校卒業生が入学する道が開けた。同大学院では理学研究科が今年、国立大の大学院で初めて朝大卒業生の受験を認め、1人が合格しており、研究科独自の判断による門戸開放の流れが続いている。
経済学、教育学の両研究科はこの秋、教授会などの議論を経て、来年2月に実施される修士課程の99年度入試に際して募集要項を改め、出願資格に、学校教育法施行規則にある「本研究科において大学卒業者と同等以上の学力があると認めたもの」を追加。ここに該当すると思われる志願者に対しては各研究科の判断により独自の出願資格審査を課すことで、学校教育法1条による「大学」を卒業していない人でも受験できるように門戸を広げた。つまり、「各種学校」扱いの朝鮮大学校の卒業生も受験できる可能性ができたことになる。文学研究科も同様の方向で検討中という。
教育学研究科は12月17〜22日の間に申請を受け付け、来年1月6日に行われる出願資格審査(英語と口頭試験)をパスすれば、受験資格を認める。経済学研究科の申請期限は過ぎており、今回は該当者がいなかったという。文学研究科は来年1月に本試験の願書を受け付けたうえで該当者の資格審査を行うことにしており、12月中には具体的な審査方法を決めるという。
渡辺尚・経済学研究科長は「これまでの出願資格の枠から結果的に漏れていた人の中に、優秀な人材がいるかもしれない。大学院改革の流れの中、 『1条校』を普通に経てきた人だけでなく、様々な経歴を持つ人にもっと門戸を広げることで、積極的に優秀な人材を集めようというものだ。様々な経歴と言っても、経済学を研究する場である当研究科がどのような人に出願資格を与える(審査を課す)か、常識的に考えれば分かるだろう。初等教育から高等教育まで段階的に受けてきた人ならば、その教育が制度的に認められた 『1条校 』によるものなのかどうかは本質的な問題ではないということだ」と語る。