アジア大会、開幕/女子マラソンで共和国キム・チャンオク選手が銀
ゴール直前で鮮やかに逆転
【バンコク6日発=本社記者高英民】6日、当地で行われた第13回アジア競技大会・女子マラソンで、共和国のキム・チャンオク(23)が2位に入り、共和国選手団に今大会初のメダル(銀)をもたらした。
女子マラソンには8つの国と地域の代表、10人が出場し、午前6時半(現地時間)にスタート。5キロ地点から日本の高橋尚子が後続を引き離して行く中で、5選手が激しい2、3位争いを演じた。
この日は7時を過ぎた時点で、気温は摂氏28度。暑さと湿度が容赦なく選手らのスタミナを奪い、まず南朝鮮の選手が脱落。25キロ、30キロ地点で、中国とインドネシアの選手も遅れていった。
2位の甲斐智子(日本)にピタリとつけていたキムは、タマサート競技場に入った後ゴールの手前120メートルから猛然とスパート。甲斐に6秒差をつけて2位でゴールインした。
タイムは2時間34分55秒。自己ベスト(2時間27分2秒)更新はならなかったが、暑さの中、「(甲斐を)いつでも抜けたが、競技場の観衆の前で抜こうと思った」(キム)と余裕を見せた。
キム・チャンオク選手は1975年4月16日、平壌市生まれ。もともと5000メートルが専門だったが、94年11月の国内選手権を機にマラソンに転向。95年10月の国内選手権で優勝し、アトランタ五輪では26位。試合後、「銀メダルは嬉しいが、やはり優勝したかった」と強気な表情を見せた。また、「日本でも総聯の同胞が応援してくれていることを思うと心強い。今後は2000年のシドニー五輪を目標に頑張りたい」と話していた。
この日、タマサート競技場には駐タイ共和国大使館員とその家族ら、現地に住む共和国民が応援に詰めかけた。リ・ジュヒョクさん(14)は、「タイの空に共和国旗が上がるのを見ると本当に気分がいい。キム選手は朝鮮人の誇りを見せてくれた」と話し、胴上げの輪に加わった。
盛大に開会式/301人の選手団、18種目に参加
【バンコク7日発=本社記者高英民】41の国、地域から史上最大の9000余人の選手、役員らが集まった4年に1度のアジア最大の体育祭典、第13回アジア競技大会が6日、タイの首都バンコクで始まった。20日まで15日間の熱戦が繰り広げられる。
共和国からは301人の選手団が参加し、18種目に参加する。選手団の構成は、総団長が朴明哲体育相、団長が尹成範体育次官、選手216人、役員および指導員85人からなり、その他12人の国際審判員が大会に参加する。共和国選手団の中には選手9人、指導員8人、国際審判員1人の在日同胞が含まれている。
開会式は6日午後6時(日本時間同日午後8時)、バンコクのフアマークSAT複合競技場で行われた。6万人のバンコク市民らで埋め尽くされた競技場ではタイの民族色溢れる多彩な演目が披露された。
続いて選手団が入場。共和国選手団は22番目に登場した。揃いの紺のブレザーに身を包んだ共和国選手団が入場すると、場内からはひときわ大きな拍手が鳴り響いた。選手らは手にした共和国旗を高く掲げて観衆の歓呼に応えた。
選手団最前列にはゴルフ競技に出場する「萬石、成采準、金重光、李良一、李源守の各同胞選手らの顔も見えた。
旗手を務めたレスリングのハン・テヒョン選手(フリースタイル76`級)は、「祖国の代表として旗手の重責を担いたいへん光栄です。必ず金メダルをとって、共和国の栄誉を世界に轟かせたい」と語った。
男子サッカー2次ラウンドに進出
6日の本大会開会に先だって予選が行われていたアジア競技大会の男子サッカー競技で、共和国チームが2日、1次ラウンド(23チームが8組に分かれてリーグ戦)をE組2位で通過し、2次ラウンド(7〜11日)に駒を進めた。
2次ラウンドでは16チームが4組に分かれてリーグ戦を行い、各組2位までが14日の準々決勝に進出する。共和国はグループ1でトルクメニスタン、インド、ウズベキスタンと勝敗を競う。
共和国は1次ラウンドで、アラブ首長国連邦(UAE)、ブルネイとともにE組に属したが、ブルネイが棄権したためUAEと2チームで順位を競った。
2日、タイ南部のソンクラで行われた対UAE戦は、3−3の引き分け。順位決定PKでは、1−4と惜敗した。
「期待に応えたい」/同胞選手の結団式と壮行会
第13回アジア競技大会(6〜20日、タイ)に共和国代表として参加する在日同胞選手、役員らの結団式と壮行会が4日、朝鮮会館と都内のホテルで行われ、総聯中央の徐萬述第1副議長と権淳徽副議長をはじめ関係者らが参加した。
結団式ではレスリング、重量挙げ、ボクシング、陸上(2人)、ゴルフ(4人)の5種目に出場する9人の在日同胞選手と役員、指導員らが紹介され、一行を代表して在日本朝鮮人体育連合会の琴栄進副会長が決意表明した。
琴副会長は、競技に正々堂々と臨み、同胞たちの期待に応えられるよう頑張りたいと述べた。
続いて徐第1副議長があいさつし、共和国の海外スポーツ人としての誇りと自負心を深く胸に刻み、大会で全力を尽くすことを望むと強調。選手1人1人と堅い握手を交わした。
在日同胞選手、役員らは5日、空路日本を出発し、現地で共和国選手団に合流した。