千葉初中連合同窓会「オソルパラム(そよ風)」がチャリティーコンサートを企画
千葉初中卒業生らによる連合同窓会「オソルパラム(そよ風)」は、母校支援のチャリティーコンサート「金剛山歌劇団公演」を千葉県文化会館大ホールで23日に企画している。同会は民族心をはぐくんだ母校をOBの力で守っていこうと、結成当初から様々なイベントを企画してきた。今回のコンサートには、千葉初中生徒と県下の同胞らも出演する。(琴)
「お金を集めて物を寄付することもできるが、生徒たちが大ホールの舞台に上がり、歌や踊りを披露することで、彼らに夢と希望を与えたかった。また、同胞たちには、朝鮮人として堂々と舞台に立つ生徒たちの姿を通じ、民族教育の大切さを改めて実感してほしいとの思いから、今回、金剛山歌劇団と千葉初中生徒、同胞らのジョイントという形でコンサートを企画した」(白浩臣会長、29)。
コンサートは、昨年一月の同会結成直後の幹事会会合で提案された。財政的な学校支援はもちろん、学校を拠点にOBをはじめとする地域同胞らの団結を一層強めようとの目的からだ。また、企画から運営まですべて会員らの力でやり遂げることで、「オソルパラム」をアピールする良い機会だと、皆が賛成した。
今年4月には実行委を組織。会員らは、仕事を終えた後に同胞宅を1軒1軒訪ね、ビラを配りながら2000枚のチケットを売っていった。チケットはチャリティーのため、1枚2000円以上に設定。収益金はすべて学校に寄付される。1世同胞には特別無料優待券を贈った。
コンサートでは、女性同盟のコーラス部と朝銀千葉の朝青員らによる重唱、千葉初中生徒らによる朝鮮舞踊などが披露される。
重唱「いつも心に」に出演する金成根さん(29、朝銀千葉茂原支店勤務)は埼玉初中出身だが、「この間、会員らは民族教育の未来を担っていく誇りと自覚を強く感じ、結束も一層固くなった。朝鮮学校を思う気持ちは千葉初中OBも埼玉初中OBも変わらない。そんな思いから、進んで出演を希望した」と話す。また、鄭浩然さん(31、20期)は「千葉初中の生徒数が減っていることに危機感を覚えた。この歌には、異国の地で、みんなが団結して朝鮮人として堂々と生きていこうとのメッセージが込められている。公演を通じ、OBが団結したら何でも出来るということを示したい」と意気込みを語っていた。
問い合わせは、チャリティーコンサート実行委までTEL 043−233−6553
「オソルパラム」/19〜29歳まで、月2回の会報も
若い世代の輪つなぐ契機に
19〜29歳までの千葉初中卒業生による連合同窓会。会の名称を卒業生らに募集したところ、千葉初中校歌のワンフレーズである「オソルパラム」が良いとの声が上がり決まった。
2年前に準備委を結成し、各地に散らばった卒業生の名簿整理に努め、各期ごとに同窓会を開いたり、ハガキや電話で連絡を取り合うなど、1人でも多くの卒業生を網羅するため奔走してきた。昨年1月の発足後も、各行事への参加を継続的に呼びかけてきた。結果、昨年10月に同校で催したキックベース大会には、約140人の会員が参加。
昨年からは千葉初中卒業生の成人式を主催している。月に1回、各期ごとの代表による幹事会を行い、卒業生の近況などを知らせる会報も月に2回発行している。10月に行われた同校のバザーにはくじ引きコーナーを出し、収益金の一部を学校に寄付した。
李心根さん(21、30期)は「若い世代の母校離れが年々進み、朝鮮人としての自覚が薄れている状況の中、連合同窓会が組織されたことで卒業生みんなが1つの場所に集まり交流する機会が増えていった。学校を拠点に行事を催すことで、自然にみんなの関心が学校に向いていった」と話していた。