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98共和国――経済動向/各担当者に聞く(4)鉄道運輸

キム・ヨンサム鉄道部参謀長


運行正常化へ全力/節電で蒸気機関車の見直しも

 

線路の強度3倍に

 共同社説は、鉄道の物質技術的土台をしっかりと築き、輸送計画を綿密に立てて鉄道運行を正常化すべきだと指摘した。

 鉄道輸送を行うためには、必要な運輸手段と装備を備えなくてはならない。機関車、貨車、客車などが前者で、線路、送電設備、指揮系統の通信設備などが後者だ。そのほかにも運転施設や駅舎、信号など様々な物質的要素が求められる。

 経済的難関が横たわっている苦しい状況で、資材、設備、労力、技術など解決すべき問題は多い。しかし、これらを解決してこそ、鉄道運送を行う物質的準備が整う。

 機関車、客車、線路の補修整備などに、鉄道部全体で1ヵ月に5000トンの鋼材が必要だが、われわれはこれを自力で生産している。鋳造の設備を各所に設け、電気炉を効果的に利用しながら廃材を再利用するだけでなく、ここで使う電力も小規模の水力発電所を建設したり石炭で動かす発電機を設置するなどして、自力で生産している。

 昨年末には、古いレールや枕木を交換したりバラスト(砂利)を敷き直して線路を強化する事業を行った。線路の強度が3倍になり、列車の運転速度を大幅に上げることができた。今年はさらに2倍以上に強度を上げる目標だ。

 

性能向上へ技術開発

 鉄道運行を正常化するためには、何よりも機関車を走らせなくてはならない。電力を潤沢に使えない条件のもと、鉄道電化を進める過程で使わなくなった蒸気機関車をエネルギーの面から見直し、改良を加えたうえで、今年から一部路線で復活させる計画だ。

 しかしあくまでも基本動力は電力だ。電力部門の発奮に期待するとともに、少しでも消費電力を減らすため、技術を磨き性能向上に努めたい。

 将来的には鉄道運輸の現代化、重量化、自動化の実現を目指している。今は苦しいが、われわれには大きく発展できる技術も土台もある。7000馬力の赤旗号電気機関車や最新式の精鋼製圧延車輪を自力で開発、生産していることが、それを証明している。

 

問題解決は現場で

 鉄道は共和国における陸上輸送の基本で、言わば国の動脈だ。

 工場、企業所に原料、資材、設備を運び、生産された製品を各地に行き渡らせるのも鉄道の役目である。各種輸送の中で圧倒的比重を占めており、鉄道輸送なしに人民生活を維持することはできないと言っていいほどだ。

 このように重要な鉄道輸送を立て直して運行を正常化するためには、われわれ鉄道部の活動家たちが、問題解決の道は現場に入って探るということを原則に、すべての計画を綿密に立て、きめ細かい仕事をしなくてはならない。

 全活動家が年初から現場に出ている。私は金鐘泰電気機関車総合企業所と平壌操車場などに行った。どこへ行っても、今年の課題をやり遂げるという勢いがみなぎっている。

 今年、共同社説に示された課題を遂行するとともに、貨物輸送量では昨年の輸送実績の2.4倍を目標にしている。

 今年に入り、5日午前6時にも、金正日総書記から鉄道運輸部門に対する直接の指導があった。困難は多いが、総書記の指導に従いわれわれ活動家が先頭に立って努力すれば必ず解決できる。