長野冬季五輪、明日開幕/共和国選手、順調な仕上がり
長野冬季五輪が明日、いよいよ開幕する。1月30日に日本入りした共和国選手は順調に調整が進んでおり、テンションも徐々に高まっているようだ。また、長野朝鮮初中級学校の生徒が聖火リレーに参加するなど、「世界の友好と平和」を目指す多彩なイベントも行われている。(道)
ショートトラック8人、スピードスケート2人
共和国からはスピードスケートに2人(女子)、ショートトラックに8人(女子5人、男子3人)が出場する。選手らは競技を目前に控え、最後の仕上げに余念がない。選手らは来日した翌日から調整を開始。「健康の管理と、競技が行われる時間帯に体を慣らすことに重点を置いている」(シム・ダンス指導員)。
競技が行われるホワイトリング(ショートトラック)、エムウェーブ(スピードスケート)での氷上練習も1日2時間程度行っており、氷の感触や、コーナーでのフォームを念入りにチェックしていた。
ショートトラックの男子500、1000メートルに出場するユン・チョル選手は「疲れは取れたし、体調は良い。日本に早く来たのが幸いだった。氷の感触はもうつかめた。必ずメダルを取りたい」と語っていた。
共和国選手の競技は13日から。スピードスケート500メートルにキム・ジョンフィ選手が出場する。
「一生に一度の貴重な体験」
長野初中生徒が聖火リレーに参加
長野朝鮮初中級学校の中級部生徒が1月31日、長野五輪聖火リレーの西日本・日本海ルートでサポートランナーとして松本市内を走った。走者は2年生の厳勝馬君と1年生の丁龍雲君、洪広明君、゙龍鎬君の4人。同校が中間に位置する、法務局前から深志ヵ丘バス亭までの900メートルを沿道の友人や先生、父母らの声援を受けながら軽快に走った。
聖火保持者の日本女性(48)は、伴走の4人にも順番にトーチを回し、生徒たちを喜ばせた。
今回の聖火リレー参加は、スポンサー企業が、県内リレー区間のサポートランナーを県内の全中学校・高等学校、特殊教育諸学校、朝鮮中級学校から募集しようと提案したのがきっかけ。21世紀を担う中・高校生らが自らの体験を通して国際理解を深める上で有意義だと判断した長野五輪組織委(NAOC)が、各地域推進協議会を通じ各校に参加を要請した。
約10分間、「一生に一度の貴重な体験」をした生徒たちは「同胞だけでなく日本の人も一緒に声援をおくってくれたのが嬉しい」(゙君)、「共和国選手が参加するオリンピックに自分も参加できて感激」(厳君)と満足気だった。
長野五輪それぞれ
開会式セレモニーにバレエで出演 高美華さん
長野五輪の開会式セレモニーで、小沢征爾さんが指揮するベートーベンの「第九」を踊る。「全世界が注目するイベントに大好きなバレエで参加し、自分の踊りを観てもらえることが嬉しい」
東京朝高卒業後、モンテカルロに留学。ボストンのバレエスクールを経て、世界的アーティストやディレクターが集まる街、ニューヨークに移った。昨年には「ビデオテープと履歴書を持って売り込んだ」コネチカットバレエ団と契約、正真正銘のプロとして踊った。
バレエを始めたのは5歳の頃。初級部2年からは朝鮮舞踊も習い始め、4年の時には、祖国での迎春公演に出演した。「誇り高い『プロ』の厳しさを実感したのは、祖国の情熱あふれる先生方に学び、『本物』の精神に触れた時かも知れない」。舞踊の繊細な指使いや豊かな表現力はバレエにも生かされている。
「例えば悩んでいる人が観に来て元気になれるような踊り手になりたい。開会セレモニーでも、多くの観客にエネルギーと感動を与えたい」と、目を輝かせた。(外)
日本の子供らもエール
1日、選手村入村式の後、共和国選手団は「1校1国運動」で共和国を応援している保科小学校と、長野初中の生徒と交流。手紙などを受けとっていた。
共和国選手のもとには現在、各地の同胞から激励の手紙やファックスが続々と寄せられている。選手村の住所・ファックス番号は次の通り。
住所 〒381−2226 長野県長野市川中島今井 オリンピック村 朝鮮民主主義人民共和国選手団
FAX 026・283・9064〜5