視点
「世界は、核戦争の脅威や核抑止に頼ったもろい平和とともに生きることはできない」。核保有国の米、ロ、英、仏の元首脳らが2日、核兵器廃絶を呼びかける共同声明を発表した。
カーター元米大統領、ゴルバチョフ元ソ連大統領、キャラハン元英首相など47人の現・元大統領ら46ヵ国、117人が署名、日本からも竹下登、宮沢喜一氏ら元首相らが名を連ねている。
声明は具体的な措置として、核兵器の「警戒態勢の解除・運搬手段からの切り離し・安全な国家施設への保管」に始まり、「最終的な目標である核廃絶に向けた実行計画の作成」に至るまでの6項目を提案している。
共和国外交部軍縮平和研究所スポークスマンは6日、声明が「核兵器廃絶と関連した世界の人々の要求と念願を反映したもの」と評価しつつも、朝鮮半島で冷戦を終わらせ平和をもたらすために @朝米基本合意文の公約どおり核不使用安全保証の提供 A南朝鮮に対する核の傘撤去 B駐南朝鮮米軍の撤収――などを要求した。
「世界の文民指導者」がそろって核廃絶を訴える背景には、軍縮・平和を願う世界の人々の声がある。地球規模の地雷廃絶を訴え続け、代表が先頃ノーベル平和賞を受けた民間団体「対人地雷禁止国際キャンペーン」の活動なども、軍縮・平和に向けたアクションと言える。
こうした流れが朝鮮半島にも好影響を及ぼすと期待したい。核廃絶は人類共通の願いだ。(聖)