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ここが知りたいQ&A/共和国の政党・団体連合会議


開催の背景について

南で「政権」が交代/最悪の南北関係打開へ

 連合会議が開催された背景について。

 金泳三「文民独裁政権」から、金大中「政権」への「政権」交代を1週間後にひかえた18日に開かれた。南の政治史上、野党が初めて「大統領」選挙で勝ち、「政権」交代が実現した。金泳三は執権期間を通じ、外勢に依存した「国際共助体制」に固執し南北関係を最悪の状態に追いやっただけでなく、国際通貨基金(IMF)から融資を受けねばならないほどの経済破綻を招いた。

 金泳三「政権」時の南北対話はどうだったのか。

 93年2月の「政権」発足後の5年間、歴代軍事「政権」下ですら行われてきた南北対話は行われず、南北関係はかつてなく険悪化した。金泳三が南北対話の基本理念をことごとく踏みにじり、対話と両立できない外勢依存、反北対決姿勢を露骨に取ってきたためだ。金日成主席は93年4月6日に「祖国統一のための全民族大団結10大綱領」を発表し、過去に民族に背いた人でも、その過去を反省するならば、誰にでも対話の道を開いていると述べた。94年7月25〜27日には南北最高位級会談開催も決まっていた。しかし、94年7月8日に主席が急逝したため開かれなかった。

 その後、対話が中断した原因は。

 金泳三自身にある。対話相手の不幸に対し金泳三は弔意を示すどころか、「非常警戒令」を発布して共和国側に銃口を突き付けただけでなく、南朝鮮人民が弔意を示そうとしたことすらも弾圧した。さらに「吸収統一」の野望を露にし、反北対決政策を激化させてきた。南での新「政権」発足を前に、こうした最悪の状態から抜け出し、南北関係を改善しようと呼びかけたのが、今回の連合会議の趣旨である。

 

何を討議したのか

反北対決から連北和解を/対話と協議行う用意表明

 会議では何が討議されたのか。

 南での「政権」交代という政治状況の変化に応じて、北と南が団結して自主的に民族の出路を共に切り開くための対策を討議した。

 報告を行った金容淳書記は、まず金正日総書記が昨年8月に発表した論文で示したように、祖国統一3大原則と高麗民主連邦共和国創立方案、祖国統一のための全民族大団結10大綱領を内容とする祖国統一3大憲章を指針としなければならないと指摘した。そして、過去の惰性から脱して民族自主と大団結の原則に基づき祖国統一の道を切り開くことを心から願うのであれば、南の政党、団体をはじめ誰とでも対話と協議を行う用意があると言明した。

 具体的にはどういうことか。

 統一を促進させる対策として次の問題を解決すべきと主張した。第1に、南で自主、平和統一、民族大団結の祖国統一3大原則を尊重し、その理念に合致するよう外勢依存を排撃して自主的に民族の運命を切り開く用意を示さなければならない。

 第2に、反北対決政策を連北和解政策に変える勇断を下さなければならない。

 第3に、民族の出路を共に切り開くために、南北が共存、共栄、共利を図り、同族間で互いに合作し団結する用意を示さなければならない。

 第4に、共和国側は対話と協議が統一問題を自主的、平和的に解決するうえで基本方途になると認め、対話の門戸を開いていることを改めて明白にした。

 つまり、問題解決のカギは「政権」交代にあるのではなく、政策の変化にあると言える。各政党と団体がどのようにそれを推進するかがカギとなろう。

 

和解のためには何が必要か

「保安法」撤廃、「安企部」解体を/南北関係発展の最大の障害

 連合会議は、南が連北和解を阻害する制度的措置を除去するよう求めているが。

 そうだ。制度的障害物とは「国家保安法」と「安企部」だ。その無条件撤廃と解体を主張している。

 「国家保安法」は、南北関係発展の最大の障害物だ。同族が住む北を「反国家団体」、北に住む人々を「反国家団体構成員」と規定し、「敵」と見なして自由な対話と交流を阻み、南北の和解、統一を妨げてきた。対北情報謀略機関である「安企部」も、あらゆる謀略策動や南北統一を妨げる反北情報操作活動を繰り広げてきた。

 金大中氏自身、「保安法」や「安企部」による直接的被害を受けてきたというが。

 そうだ。73年8月の金大中拉致事件は、安企部(当時KCIA=中央情報部)による組織的犯罪であったことが当初から指摘されてきたが、最近それを裏付ける安企部内の極秘文書が明らかにされた。80年5月の光州人民蜂起の際には、内乱陰謀や「国家保安法」などの違反容疑で死刑判決を受けている。そのため同氏自身、92年の「大統領」選挙の際には同法撤廃を主張している。

 軍事ファッショ独裁も倒れ、文民独裁もその運命を終えた今こそ、過去50年もの間、国の統一を阻み数多くの統一と愛国、民主人士を殺してきた「保安法」と「安企部」はなくさなければならない。

 この問題が解決されれば、凍結された現在の南北関係を改善して対話と協議を行う雰囲気が整うだろう。

 

手紙を送った相手と反応は

各政党と団体の責任者/「緊張解く気流」などと注目

 南の政党、団体への手紙はどのように送られ、またその対象者は。

 共和国赤十字連絡代表が委任により19日、南側赤十字連絡官に手渡した。

 対象は各政党代表者らと、民主運動団体、労働者、農民、青年学生、女性の各団体、経済、科学、教育、文化芸術、宗教など各界団体の責任者らだ。

 政党代表者らの中には、新政治国民会議の金大中総裁と総裁代理の趙世衡、自由民主連合総裁の朴泰俊と名誉総裁の金鍾泌、ハンナラ党総裁の趙淳と名誉総裁の李会昌、国民新党総裁の李万燮と顧問の李仁済が含まれる。

 手紙に対する反応はどうか。

 国民会議の朴正洙副総裁は「新政府出帆を契機に北側が南北間の緊張関係を解こうという気流の一端として解釈される」とし、「(金容淳書記の報告を)注目すべき発言」(ハンギョレ新聞20日付)と語った。

 ニューヨークタイムズ20日付は、ソウル発の記事で共和国が南に手紙を送った事実を伝えながら、国民会議が「歓迎を表明した」と報じた。

 金大中氏自身も20日、「雰囲気が醸成されれば南北首脳会談にも応じる。当選直後の声明でも南北サミットもしたいという態度を示した。必要ならこちらから行くし、向こうから来ることもあろう」(毎日新聞21日付)と語った。

 共和国側が示した具体的な提案に対し、南の政党、団体が実際の行動でどう示すかが求められている。