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アンニョンハセヨ!平壌から/平壌動物園で猛獣飼育一筋30余年 キム・スノクさん(52)


 平壌動物園の猛獣舎で30余年間、トラやライオンと共に過ごしてきたキム・スノクさん(52)は、小さい頃からの動物好き。18歳の時、「期待に胸踊らせて」平壌動物園の門をくぐったが任されたのは蛙の世話だった。「もっと大きな動物を世話したかったのにとがっかりした」。

 しかし2年後に配置変え。上司はオウム館やゾウ舎など候補を上げたが、キムさんは首を横に振り続けた。業を煮やした上司は困らせるつもりで「猛獣舎に行け」。負けず嫌いのキムさんは、即座に首を縦に振る。

 「はい」と返事はしたものの、初めて猛獣舎に入った時は「心臓が震えた」。しかし、日を追うごとにトラやライオンが可愛くて仕方なくなる。今までトラ52頭、ライオンとヒョウ各30頭を育て、トラの赤ちゃんに自分の乳をあげたことも。まさに猛獣たちの「オモニ」となって愛情を注いできた。

 動物のお産の時は24時間つきっきり。夜勤も多い。

 「私が続けられたのは家族の支えがあったから。主人は、私が動物園に骨を埋める人間だと初めから理解しています」

 22歳になる次男も動物園に勤務。子供たちはみな動物園内の託児所育ちだ。

 「自分の子供よりトラの方が可愛いかも」。豪快に笑う顔がトラに見えてきた。(東)