想い出胸に、新たな出発の時/朝鮮大学校卒業式
全寮制の朝鮮大学校。全国各地から集まり、生活を共にしながら密度の濃い学生生活を送っただけあって、卒業式での感慨もひとしおだ。同胞社会を支える道への新たな出発となる10日の卒業式、大学構内の各所では、両親に祝福されたり、恩師や後輩らと別れを惜しむ卒業生たちの姿が見受けられた。
私たちも卒業生/研究員の10人
429人の卒業生の中には、日本の大学で言えば大学院に当たる研究院の卒業生10人もいる。社会科学、自然科学など各研究科5人と作家育成班の3人は朝大卒業後、短い人で2年、長い人で6年間、朝大研究院に籍を置きながら、日本の大学院や共和国の大学で勉強を続けてきた。4月から、ほとんどが朝大の教員となる。
6年間の研究院過程を終えた「一漢さん(28)は自然科学研究科有機化学研究専攻。東京都立大学大学院の博士課程でDNAについて研究しており、4月からは朝大理学部の教員として講義をしながら研究を続ける。
「同級生はすでにみな社会人で、遅れを取ったと思うこともあったが、自分が研究活動を続けたくて選んだ道。とにかく『知りたい』という興味でやってきた」
当面の目標は1年以内に都立大大学院の博士号を取ること。卒業して教壇に立つとは言え、「学生生活」はまだまだ続く。