第2回4者会談/共和国の提案を拒否した米国
ジュネーブで16〜21日開催された共和国、米国、南朝鮮、中国による第2回4者会談は、朝鮮半島の平和と安全を保障する本質的で根本的な問題である、南朝鮮駐屯米軍撤退と朝米平和協定問題を話し合うという共和国の提案を米国が拒否したため、次回の日程も決まらないまま、こう着状態に陥った。その原因と今後の展望について見た。(基)
相違点の解決を
第2回会談では、第1回会談(昨年12月9、10日)同様、議題の設定問題が焦点となった。
共和国は朝鮮半島の平和保障という会談目的に沿って、米軍撤退と朝米平和協定問題を主張した。会談終了後、共和国代表の金桂寛外交部副部長は、両問題について「『外国軍の地位問題』と表現してもよし、後で論議されることが保証されるなら議題に明示しなくてもよいとの代案を示したが、米側が受け入れなかった」(朝日新聞22日付)と、共和国の代案を拒否した米国を強く批判した。
共和国は「真剣にすべての問題の話し合いに応じ、柔軟な姿勢」(議長を務めた中国代表・陳健外務次官補)を取っていた。問題は互いの相違点をいかにして解決していくかにある。米国が相違点を先送りしては到底、共通点を見いだすことはできない。
展開如何は米に
共和国は第1回会談でも米軍撤退、朝米平和協定問題を議題に盛り込むよう主張した。それは4者会談第3回予備会談(昨年11月21日)を通じて、「米軍撤収と朝米平和協定締結問題を集中論議する前提が整えられた」(共和国外交部スポークスマン)からである。米国自身も予備会談前の説明会の時から、米軍撤収問題を4者会談の枠内で討議できるとの態度を示し、第3回予備会談終了後には「いかなる論議も自由にできる」と、米軍撤収問題なども話し合えるという立場を表明していた。
しかし米国は今会談で、米軍撤退問題など共和国の代案を話し合おうとすることすら完全に拒否した。
それどころか米国は4者会談開催に先立ち、イラク危機を口実に南駐屯米軍の軍備を大幅に増強し、朝鮮半島の緊張状態を一層激化させた。こうした動きに対処して共和国も、「12日から全国的な戦時状態に入っており、重要な軍事演習も行っている」(21日発朝鮮中央通信)。
結局、米国は朝鮮半島の平和のための4者会談の裏で軍事力を行使し、共和国を抹殺しようとしている。だからこそ、朝鮮半島の安全保障の制度的障害である米軍撤退問題は決して避けて通れない問題となる。
しかし米国がこの問題の討議すら拒否した事実は、共和国が予備会談を通じて主張してきた参加者の平等な会談地位が保障されていないことを示している。
共和国と米国は交戦関係にあり国交もないが、南は米・中と国交を結んでいる。さらに米国は朝鮮戦争以来の対北経済制裁を実施し、依然として敵視政策を取っている。つまりこうした問題は、米国が共和国に対する敵視政策を撤回して国家関係を正常化させ、朝米間で平和協定を締結してこそ解決される。言い換えれば、朝米間で解決すべき問題をまず解決してこそ、4者会談に参加する共和国の平等な地位も保障されるのだ。
今後の会談の展望如何は、「全面的に共和国の正当な要求に対する米側の姿勢にかかっている」(23日の共和国外交部スポークスマン談話)。
南北対話干渉にも固執
また米国は会談で、南朝鮮に同調して「朝鮮半島の緊張緩和と信頼醸成」を主張し、南北対話を4者会談と絡めて国際問題化しようとした。これは南朝鮮との同盟関係をテコに、南北問題に対する干渉を正当化させようとする試みである。
しかし南北対話は、「民族内部の問題であり、われわれのルートを通じてわれわれの土地で論議させるべき」(李根次席代表、東亜日報19日付)問題である。ちなみに共和国は南北対話について、2月18日の政党・団体連合会議を通じて、これまでの歴代「政権」の反北対決政策を連北和解政策に転換させ、南北和解の制度的障害物である「国家保安法」の撤廃、「安企部」の解体を求めているが、南朝鮮はまだこれには応じていないのだ。