「在日同胞の民族性を守るための近畿地方会議」決議文
3月29日に大阪で開かれた「在日同胞の民族性を守るための近畿地方会議」で採択された決議文は全文次のとおり。
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今日、われわれは、在日同胞の民族性が日増しに薄れている深刻な現実を憂慮し、どうにかして民族性を守ろうという一念から、「在日同胞の民族性を守るための近畿地方会議」を開いた。
会議では、異郷の地、日本で学界と文化界、宗教界をはじめ各界に従事する在日同胞知性人と各界各層の同胞たちが理念と政見、信仰と所属の違いを越え、民族性を守る問題の実態と重要性、そのための方途について真しに論議した。
会議参加者は、半世紀が過ぎても民族分断の歴史が続いている中、日本の社会環境と世代交替によって在日同胞の間で民族性が失われ、同化と帰化の現象が日増しに色濃くなっていく悲しい現実の前で、民族性を守る問題が焦眉の緊急課題であることを一致して認めた。
われわれは棄民政策、同化政策が陰に陽に続く危急な状況の中、同胞社会の一角で進められている「参政権獲得運動」が、民族性を守るうえで決して利益にならないということについて深く留意し、憂慮を示した。
在日同胞の民族性が維持されるか、失われるかという時に、われわれ知性人がただ傍観できようか。
われわれは、民族が国難に遭う度、主義主張と社会的立場を越えて立ち上がり、力を合わせて難局を打開し、民族性を綿々と守ってきた愛国先烈たちのように、熱い愛族愛民の精神を胸に刻みながら、次のように決議する。
一、われわれは、在日同胞の民族性を守ることが現時期、同胞知性人に与えられた歴史的使命であり、要請であることを深く自覚し、時代の先覚者としての役割を果たしていく。
一、われわれは、社会的運動、同胞的運動が在日同胞の民族性を守るための基本的方途となると認め、同胞の住む全ての地で多様な運動を繰り広げることに献身し、奮闘する。
@21世紀を開拓していく同胞新世代に民族の魂を育み、言葉を教え、有能な民族人材に育てる民族教育の強化、発展のために積極的に努力する。
A在日同胞の間で民族の歴史と地理、文化と美風良俗を広めるための執筆活動と啓蒙活動、講演などを積極的に行い、民族意識の高揚と継承発展のために努力する。
B各自の居住地で同胞たちの連携を緊密にし、同胞たち自身が主人となった民族文化を創造するために尽力する。
一、われわれは、在日同胞の民族性の固守と発揚を阻害するいかなる現象に対してもつねに注視し、反対、排撃していく。
われわれは、今日の会議を契機に、日本全国で、「在日同胞の民族性を守るための会議」に賛同する同胞知性人の輪を広げるための活動を積極的に推し進める。