許せぬ民族差別発言/長野の同胞商工人、謝罪求め提訴
さる2月19日、長野市建設業協会(酒本文隆会長)の藤沢和吉副会長(64)が、会長をはじめ幹部らが出席した懇親会の席上、同協会会員で市内の建設会社社長の在日同胞である司空吉氏(62)に対し、「北鮮野郎」「おめえなんか朝鮮野郎に仕事をくれねえ…」などの民族差別的発言をした。同協会は3月27日まで藤沢氏の辞表を受理せず解任し、同協会から除名するとともに、差別発言への迅速な対応を欠いたとして酒本会長と柳澤忠明副会長が引責辞任し、再発防止のため協会内に倫理委員会の設置も決めた。
司空氏は、「相互理解を深める場で民族の誇りと名誉を、精神的苦痛を受けた。明らかな民族的差別発言だ」として、差別発言を行った藤沢副会長に対し、3月12日、長野地裁に謝罪を求めて提訴しており、総聯長野県本部(崔在植委員長)も19日、同協会に今後、こうした言動が再び起こることがないよう具体的措置を取ることを求めた公開質問状を提出していた。
今回の協会の措置は、司空氏の再三にわたる抗議に応えたものだが、司空氏は藤沢氏が、公式の場で謝罪をしていないとして、今後も法廷の場で謝罪を求めるとしている。