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視点


 @校舎内にごみがちらかり落書きが増え、保健室やトイレに行ったまま教室に帰らない生徒が出る A先生の注意に「うるさい、殺したろか」などと反抗し、トイレにたばこの吸い殻が捨てられだす Bトイレのドアや窓ガラスが壊され授業に出ない生徒集団が発生する C注意しただけで暴れる生徒が出て、生徒の喫煙が日常化する D教員が生徒から暴力を振るわれる。1日の参院予算委員会に出席し、学校荒廃の実態を説明した広島県福山市立中学教員の言葉だ。実際、日本の教育現場の荒れ様は異常で、犯罪・暴力事件も年々、低学年化し、連日のように中学生のナイフによる刺殺・刺傷などの暴力事件が報じられている。既に教員だけの努力では暴力事件に対処できなくなっている。「学校は児童相談所や警察などとの連携をためらうべきではない」(町村文相)との声まである。生徒を教育対象としてではなく、まるで「犯罪者予備群」と見なしているようだが、社会の責任でもある。

 3月15日、東京朝鮮中高級学校の卒業式があった。生徒たちの態度も実に良く、それが参加した父母たちにも伝わり、式は厳粛な雰囲気の中で進められた。卒業式に参加した中級部のある父母は「こんなに整然とした卒業式は日本学校ではとても考えられない」と涙を流すほど感動したという。

 同じ日本社会に住んでも教育内容によって子供の育ち方は違ってくる。民族教育の現場の教員らの努力が並大抵でないと推察される。(喜)