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茨城朝鮮初中高体育館が竣工/民族思う心の結晶


 茨城朝鮮初中高級学校(水戸市千波町)の体育館が新築され、竣工式が6日に行われた。体育館は、金露顕建設委員長(県商工会会長)ら県下の同胞・商工人有志により建設が進められていたもの。竣工式には総聯中央の許宗萬責任副議長と李相大同校教育会長、黄鎭成校長、総聯県本部の朴一委員長と学区制管下の総聯本部委員長、各中央団体・事業体責任者らと地域の同胞、父母、生徒ら550人が参加し喜びを分かち合った。また竣工式に先立ち、同体育館で入学式が行われた。

 

21世紀の主人公のために/不況なども乗り越え

 同校では1992年に、2世を中心とする同胞が募金運動を繰り広げ、校舎を新築したが、諸般の事情により体育館建設は課題として残されたままだった。

 竣工式で事業報告した金建設委員長は、複雑な情勢や不況の中で、体育館の建設資金を集められるかどうか幾度も真剣に話しあったが、民族教育を守るにはどうしても必要だとの結論に至ったと話した。

 さらに、校舎新築時に同胞らの負担が大きかったことを考慮し、今回の建設事業は有志が進めたが、備品や体育器材は同胞・父母が資金を募って揃えたと経過を説明。地域のすべての同胞の努力の結晶として、学校は装いを改めることができたと強調し、21世紀の主人公である子供たちのために、今後も惜しみない支援を送ってほしいと述べた。

 続いて、許責任副議長があいさつ。総聯第18回全体大会に向け、各地で「100日間運動」が繰り広げられている中で体育館の竣工を迎えたことは大へん意義深いことだと指摘した。また情勢が緊張し、景気が落ち込む中での建設事業は容易ではないとしながら、今日の成果は、茨城県下での愛国運動が21世紀に一層発展するための契機になるだろうと指摘。同胞社会で民族性を守り、結束を固めていくためにも、今後は生徒数を増やすために力を尽くして欲しいと話した。

 竣工式ではまた、共和国教育委員会や日本各地から送られた祝電が紹介され、第2部では生徒らによる祝賀公演が行われた。

 

「部活も思う存分」/生徒ら明るい表情

 新築された体育館は、床面積385坪、高さは最高点で12.4メートル。幅16メートル、奥行き8メートルの舞台も設置されている。天窓をつけた校舎と同様、高い位置にある大きな窓から自然光を採りいれる設計で、明るく、あたたかみのある空間だ。

 「生徒らが伸び伸び育つ姿を見るのがいちばんの楽しみ」(金建設委員長)との気持ちが、良く伝わって来る。

 竣工式も、生徒らによる祝賀公演がメインイベントといった雰囲気で、子供たちの生き生きとした歌や踊り、民族楽器の演奏に、父母らは大きな声援、喝采を送っていた。

 中1の長男がいる張順任さんは、「愛校心が強い同胞と良い先生たちに恵まれて、子供らも健やかに育っている」と話す。

 その言葉どおり、生徒らの表情も明るい。

 女子バスケットボール部の主将、周美香さん(高3)は、「今までの屋外や校外の体育館での練習に比べ、思う存分、効率的に練習できるようになると、部員は皆張り切っている。大会などで成果を上げ、同胞らの期待に応えたい」と話していた。