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視点


 法王ヨハネ・パウロ2世らが25日(日本時間)、断食を行うという。3年連続の自然災害で食糧不足に苦しむ共和国の人々に連帯を示すためだ。他にもカーター元米大統領など政治家、宗教指導者らが食事を1回抜くそうだ。

 共和国の食糧事情は依然深刻だ。水害被害対策委員会は3月2日の談話で、1月1日時点で推算した食糧在庫量が16万7000トン、3月中旬には底をつくと語っていた。

 7〜11日に訪朝した世界食糧計画(WFP)のバーティーニ事務局長も、今後数ヵ月間、食糧不足がもたらす結果に憂慮を示し、国際社会に支援を呼びかけた。1月のWFPの65万8000トンの緊急支援アピールに対し、米国の20万トンをはじめ、これまで24万2000トンの支援が表明された。中国政府も14日、10万トンを支援した。

 逆に日本政府の消極的姿勢が目立つ。米国内でも失望感が生まれており、食糧支援問題だけでなく、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)が進める軽水炉建設費用負担問題にも及んでいる。「食糧援助でもKEDOへの支出でも、日本はできない理由を挙げるばかり、という印象を与えている」(大西洋評議会のフレーク部長、朝日新聞22日付)との指摘もある。

 28日から日本、中国、南朝鮮を歴訪するオルブライト米国務長官は、日本にKEDOへの資金拠出、食糧支援を求めるという。朝鮮半島とアジアの平和に日本がどう貢献するのか。その対応が注目される。(聖)