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南朝鮮 起亜自動車労組、1万4000人がゼネスト決行


 南朝鮮の財閥、起亜グループの中核企業、起亜自動車の第3者売却問題と関連し、大量解雇を招く売却に対する労働者の抗議の声が高まっている。

 朴泰栄・産業資源部長官が4月8日に公開売却の方針を発表したのに続き、15日にはソウル地裁が起亜自動車と系列の亜細亜自動車、起亜インタートラストの法定管理(日本の会社更生法に相当)を開始。法定管理人には朴済赫・起亜自動車社長ではなく債権銀行団推薦の柳鍾烈・暁星重工業副会長を起用した。

 これに対し、起亜自動車の労働組合は「売却を念頭に置いた人事」と猛反発。あくまで求めるのは自主再建であり、雇用調整による大量解雇につながる売却は生存権死守の観点から受け入れられないと主張した。

 起亜自動車労組は同日、スト突入の賛否を問う投票を行い、全労組員1万4000人中、92.6%が賛成。翌16日に5000人がソウル市内の公園で「売却阻止・雇用安定・生存権死守」を訴え、ゼネストに突入した。これには亜細亜自動車労組も賛同し、さらに全国民主労働組合総連盟(民主労総)傘下で業界最大の全国金属産業労働組合連盟も参加の意思を明らかにした。

 17日には南朝鮮各紙に「起亜グループ従業員一同」の名義で意見広告を掲載。経済失政で起亜を法定管理に追い込んだ金泳三前「政権」の責任を追及するとともに、自主再建の正当性を強く訴えた。

 ストは21日から半日ストに切り換えられたが、生産を一部再開しながら現在も続行中で、売却方針が取り下げられない場合には全面ストに戻すという。

 起亜自動車の売却問題は、企業の倒産が相次いだ昨年7月、起亜グループが経営破たんした時から上がっていた。

 起亜側は、当事者の債権・債務両者で負債返済を取り決めることで自主再建も可能な和議を再建策に選び、9月末に起亜自動車など系列4社が和議を申請。しかし、起亜のメインバンクなどで作る債権銀行団は、第3者の管財人が一括管理する法定管理への変更を求めた。法定管理は売却の可能性が高く、現代・三星両グループが業界2位のシェアを誇っていた起亜自動車買収の意思を示した。

 これに対し、雇用不安の拡大を指摘する労組側は時限ストを断行。法定管理適用が決定した10月末には職員2万人が全作業を中断した。その後、南朝鮮が国際通貨基金(IMF)と緊急融資実行で合意し、IMFがM&A(買収・合併)などの構造調整を融資条件に求めてから、売却問題は再びクローズアップされ、今回の事態に至った。

 労働者が解雇などの不利益を一方的に被るのは、金大中現「政権」が掲げる「苦痛の分担」に明確に反する。しかし、現在も売却方針は翻されていないばかりか、柳氏は朴社長を「ストの責任者」として解任、自らは新会長に就任した。これには大きな反発が起こっており、整理解雇制などに反対する労組の闘争と相乗し、規模は全域に拡大しそうな勢いだ。