元日本軍陸軍大尉、「慰安婦」問題で証言/東京で集会
「歴史は誰のものか」(主催=歴史の事実を視つめる会)と題する集会が4月29日、東京・飯田橋のシニアワーク東京講堂で行われ、150余人が参加した。
同集会では戦時中、中国湖南省を中心に第一線で指揮をしていた元陸軍大尉の和田健男さん(81、兵庫県豊岡市在住)が、当時、軍の命令で慰安所を設置し、「慰安婦」を強制的に集めた事実を証言した。
和田さんは1945年6月頃、作戦従事中に師団参謀本部から「慰安所」を開設せよとの命令で、各大隊ごとにつくったと証言。和田さんは、「設営は副官に任せたが、軍として各大隊に3、4人ずつ中国人女性を連れてきた。最前線の占領地だから業者や軍属はいなかった。日本兵が女性を集めるのに現地の人が逆らえる状況になく、すべては強制的であった。当時、民間が運営したとの話もあるが、運営には軍が深く関与、管理していた」と話した。
また和田さんは、日本が過去を反省せず、政府の対処の仕方は、アジア各国から反感を呼んでいるとしながら、最近、日本の教科書から「従軍慰安婦」の記述を削除しようとの動きに危機感を感じて今回証言しようと思ったと述べた。