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日本の対朝鮮外交姿勢を論じる/労働新聞の論評


 労働新聞8日付に掲載された「日本の対朝鮮外交姿勢を論じる」と題する論評の詳細は次の通り。(朝鮮通信)

 

会談再開で合意了解文も交わす

 朝・日関係を正常化するのは、両国人民の共通の願いであり、時代の要求である。朝鮮労働党と共和国政府は、自主、平和、親善の理念に基づいた対外政策と、朝・日両国民の志向と要求に符合するよう、朝・日関係を正常化するために終始一貫、努力を注いでいる。

 しかし共和国の一方的な努力だけで、朝・日関係正常化は成し遂げられない。1世紀にわたって非正常な関係が続いている朝・日両国が、過去に終止符を打ち、新たな善隣友好関係を樹立するためには、相互の信頼と双方の一貫性ある努力が必要だ。結局、朝・日関係正常化は、双方の信義に基づいた信頼を積み重ねながら、関係正常化のために忍耐力ある努力をいかに注ぐかにかかっている。

 しかし不幸にも、両国政府間に実現された合意さえも履行されていないのが現状であり、朝・日関係の実態である。

 周知のように昨年8月、北京では朝・日国交正常化会談開催のための両国外交部副局長級予備会談が行われた。予備会談で双方は、第9回朝・日政府間本会談を前提条件なしに、年内にできるだけ早期に開催することで合意した。また会談の場所と運営方式の問題をはじめ、本会談再開のための一連の実務的問題について具体的な論議を経て完全な見解の一致を見たし、具体的な会談日程は外交ルートを通じて確定し、会談を年内に開催することで合意した了解文まで交わした。

 こうした合意と約束は、関係正常化を志向する両国政府の正しい選択として、朝・日関係改善のための双方の努力に新たな活力を与える重大で前進的なステップだったと評価できる。予備会談での合意が持つ意義については、これ以上言及する必要もない。

 

前提条件なしの合意破った日本政府

 しかし合意とは異なり、現在、朝・日関係は予備会談開催以前の原点に戻っている。

 会談開催日だけ合意されれば開催されるはずだった本会談が、なぜ予備会談が結束して8カ月が過ぎても開かれていないのか。その原因は政府間合意に対する日本側の観点と態度から探すべきだ。

 前述のように、予備会談で双方は、前提条件なしに政府間本会談を再開するという基本原則に基づき、本会談開催日を除いたすべての実務的問題などで合意した。

 振り返れば、第8回朝・日政府間本会談決裂からこんにちに至るまで、歴代当局者をはじめ日本の高位級人士は、機会あるごとに政府間本会談再開にはいかなる前提条件もありえないと述べてきた。1995年3月末には、朝鮮労働党と日本連立3与党が平壌で採択した「朝・日会談再開のための合意書」で、前提条件のない政府間本会談再開についてとくに強調した。

 前提条件のない本会談再開についての問題は、昨春から行われてきた両国外交実務者間の接触と、昨年8月の政府間予備会談でも重要に論議された。その結果、双方は前提条件のない本会談の年内再開について合意した。

 しかし今になって日本側は、いつそのような合意をしたのかという式で覆し、結局、日本側が関係改善にはもちろん、政府間対話にまで不当な前提条件を掲げることによって、政府間本会談再開合意が成されたが、それは実践に移されていない。個人同士の関係でもなく政府間で成された公式合意を、あらゆる不当な口実と前提条件を掲げて履行しようとしない日本政府の対応は、外交的信義にもとる行動であり、日本外交の品位を汚し国際的信用を失う結果しかもたらさない。日本側は、両国政府間の合意を破った責任から決して逃れられない。

 

他人に追従する自主性ない外交

 日本がどうしてこのような無分別で理に合わない行動を取っているのか。

 日本政府が会談再開を云々しながら前提条件を掲げるのを見ると、それが他人の請託と圧力、指示に盲目的に追従する日本固有の外交体質と関連する。

 日本当局者らは、口では「自主外交」について主張し、対外関係における「独自の主張」や「自立的な行動」についても言及していかにも自主的に外交問題を処理するかのように標榜している。

 日本側が共和国との接触と会談の場で、誰との関係を考慮しなければならないとか、雰囲気がどうだとかという声を高めたのも事実であり、あちこちを訪ねて「了解」と請託を得る外交を行っているのも否定できない事実である。

 共和国は、日本当局が朝・日関係を扱ううえで、自国の主張と一貫した立場をもち、自己の利益に沿って問題を考察し決心を下せないことについて大きな疑問を抱いてきた。

 正しい対朝鮮政策を樹立してその執行を主導するだけの自主的な立場と覚悟がない時は、政策で一貫性を保障できないのはもちろん、外交実践でも右往左往しながら気紛れを起こすほかない。

 前提条件なしに政府間本会談を再開しようとしていた日本側が、一晩のうちに態度を豹変させ前提条件を掲げるのは、まさしく日本外交の悲劇である。

 

関係の基本は過去清算し友好の樹立

 日本側が会談再開に前提条件を掲げるのはまた、朝・日関係正常化をまるで他方に与える贈り物であるかのように考える思考方式と傲慢な外交姿勢とも関連する。そのため日本政府は関係正常化の本質はもちろん、問題の軽重や優先順位すら混同し、無分別に行動している。

 朝・日関係における基本は、日本側が主張する通り、ある枝葉末節の問題の優先的な解決を前面に押し出し、それにこだわることにあるのではなく、日本の過去を清算し、真の相互信頼に基づいて朝・日両国間に善隣友好関係を樹立することにある。そのためには、それに対する確固たる志向と意志をもって、根本問題の解決に臨まなければならない。いま一度明らかにしておくが、朝・日関係正常化は、過去に朝鮮人民に強いた不幸と苦痛に対して加害者である日本が、被害者である朝鮮人民に謝罪し、補償したうえで善隣友好関係を樹立することである。

 

放火した者が火事を騒ぐ妄動

 拉致犯罪について言うならば、朝鮮に対する植民地統治の時期、日本が強制的に拉致、連行した朝鮮人の数だけでもゆうに600余万人を越える。およそ20万人に達する朝鮮女性を拉致、誘引して「従軍慰安婦」生活を強要し、100万人の朝鮮人を拉致、連行して残忍に虐殺したのも日本帝国主義である。

 にもかかわらず日本政府が、過去に日本が数え切れないほどの朝鮮人を強制的に拉致、誘引し、奴隷労働を強要して虐殺した厳然たる歴史的事実は棚に上げ、むしろありもしない「拉致疑惑」を持ち出し騒ぐのは恥である。

 拉致について言うなら、今、声高に騒いでいる数人の行方について臆面もなく取り上げるのではなく、過去に日本が朝鮮で白昼に拉致し、あらゆる非人間的な苦痛を与えたうえに虐殺した数十、数百万の朝鮮人の行方からまず追及し、解明するのが当然である。そうすることが、日本も理性を持っているという体面を保つにも良いだろう。

 日本が速やかに自らの立場を忘れ、自らが稚拙に仕組んだ「疑惑」にすぎないものをもって関係正常化に前提条件を掲げるのは、放火した者が火事だと騒ぐのと変わりない妄動であり、犯した罪に新たな罪を重ねる行動である。

 

日本が再開意思なくばあえて会談をしない

 朝・日両国人民の念願に沿って朝・日関係を正常化しようとする共和国の立場に変わりはない。しかし、日本側が会談を再開する用意がなければ、われわれもあえて会談をしようとはしない。日本はこのことをすでに知って然るべきである。

 日本は朝・日関係に対する立場と今までの対朝鮮外交姿勢を冷静に総括し、深刻な教訓を得るべきだ。

 日本が今のように無分別に軽率な妄動をしながら慌てふためくならば、われわれは自らの尊厳のため、そのような対象は初めから相手にすらしないであろう。