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視点


 スローコム米国防次官は7日、訪米した民主党の菅直人代表との会談で、朝鮮半島の統一が実現してもアジアでの米軍の現有勢力を維持するとの方針を示した。米軍はアジア太平洋地域に10万人配備されており、南朝鮮には約4万人いる。

 米国はこれまで冷戦の論理で、南朝鮮駐屯米軍は「ソ連の南下」「北の南侵」の「抑止力」として「平和守護」に寄与してきたと宣伝してきた。しかし、実際は逆である。米軍こそ朝鮮を分裂させた張本人であり、統一を妨げている基本障害である。「抑止力」ではなく、朝鮮半島での平和と安定に対する脅威となっている。

 米国は4者会談を続ける一方で、力の政策を捨てておらず最近も、ハイテク装備を南朝鮮に増強配備し、共和国への軍事的威嚇を強め情勢を緊張させた。このため共和国はさる3月、「米国の戦争挑発策動に対処し全国に『戦時動員令』を下し、軍事演習に入れるようにした」(共和国外交部スポークスマン談話)。これは自然災害による食糧難を克服し経済問題を解決して人民生活の向上をめざす朝鮮人民にとって大きな負担となる。

 共和国代表団長は4月8日、国連軍縮会議で演説し「米国の常時的な軍事的威嚇によって深刻な安保上の憂慮を抱いている共和国は、不本意にも莫大な軍備競争を強いられている」と訴えた。

 脅威の根源である米軍は統一された朝鮮には必要ない。統一前か、その過程で撤退すればいっそう好ましい。(喜)