視点
「政府や行政当局は、金大中政権の発足で、事件は解決済みとの態度をとり、18周年を単なる祝典にした」。当局主催の光州蜂起18周年の記念行事とは別に、犠牲者遺族や労働団体などで作る連合組織は18日、光州駅前で独自の集会を行った。このコメントは集会主催者で地元社会団体事務次長、文喜泰さんの主張だ。
当局主催の記念行事は同日、望月洞犠牲者墓地で行われ金鍾泌「総理」代理があいさつした。当時、事件を背後で煽動したとして死刑判決を受けた金大中「大統領」は参加しなかった。
光州人民蜂起は軍部独裁に反対して市民、労働者、学生らが民主化と統一を主張して決起したもの。80年5月18日〜27日までの10日間、果敢にたたかったが、軍事政権は銃剣で過酷に弾圧し2000人以上の市民、学生らを虐殺した。
その後、全斗煥、盧泰愚、金泳三、金大中と「政権」は変わったが、光州虐殺の真相解明、責任者処罰、犠牲者らの名誉回復は完全にされていない。反対に虐殺の責任者、全斗煥と盧泰愚は昨年12月、「大統領」選挙後の「特赦」で責任を曖昧にされてしまった。
一連の記念行事で「政権と光州市民の感情のすれ違いが表れた」(毎日新聞19日付)が、これに限らず南朝鮮では新・「政権」発足後も学生や労働者の平和的集会やデモに対する露骨な弾圧が続き、これでは「現政権の本質が前政権とまったく変わりない」との声が高まっている。(喜)