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東京で「朝鮮人学校の資格と助成 人権を考える集い」


 「朝鮮人学校の資格と助成 人権を考える集い」が5月21日、東京・池袋の東京芸術劇場会議室で開かれ、朝・日の女性ら130余人が参加した。女性同盟東京都本部、東京日朝女性の集いによる「日本弁護士連合会の勧告を支持する女性の会」が主催した。

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 集いでは、在日本朝鮮人教職員同盟東京都本部の呉伯根副委員長がこれまでの取り組みについて語り、日本の学校、教育関係者らと交流を深める過程で、民間レベルでは民族教育に対する支持と理解が広がりつつあると強調した。

 次に、外国人学校に対する制度的差別は重大な人権侵害に当たるとして2月、日本政府に速やかな是正を強く求めた日本弁護士連合会の勧告書・調査報告書の作成者である弁護士の平湯真人さんが、その内容と精神について発言。「政府・文部省に効き目がなければ出した甲斐がない。出したあとの責任については重く考えており、今後どうしていけばいいか、皆さんと考えたい」と述べた。

 また、民族教育に対する日本人社会の考えについて、否定的な見方の要因を @多数民族としての鈍感さと偏狭さ A旧植民地保有国の国民としての偏見 B戦中の国粋主義への反動からくる無関心――の3点に整理。その一方で最近、とくに若い人の間では肯定的な見方が増えていると指摘した。

 さらに、具合の悪いことは見えないふりをし、あることをないことにする、日本政府の朝鮮民族「無視」政策は、日本人社会が歴史の現実、朝鮮学校が存在することの意味を深く知ることによって破綻すると述べ、知る意欲を持たせ、知らせる努力を重ねることの重要性を説いた。

 質疑応答が行われ、ある同胞女性は「区役所に対して助成金増額を度々要請するとともに、地域の日本市民にあらゆる場を通じて宣伝するなど知らせる努力も重ねてきた。できる限りのことはすべてやってきたつもりだ。区を、国を動かすためにはいったいどうすればいいのか」と、切実な面持ちで訴えていた。

 集いではアピールが採択された。アピールは、「朝鮮人学校は共に生きる日朝都民の共有財産」と指摘。外国人学校に対する差別を一日も早く解消し、朝鮮人の子供が日本で健やかに成長できるよう、日弁連と力を合わせて、多くの日本人に問題を広げていこうと呼びかけた。