米団体が風力発電所提供/平安南道温泉郡に第1号完成
北東アジア地域のエネルギー・環境問題を専門に扱う米国の研究団体、ノーチラス研究所(本部=カリフォルニア州バークレー)の支援のもと、共和国で15キロワット級風力発電所の建設が進められている。
このプロジェクトは、所長のピーター・ヘイズ博士が昨年11月、共和国の反核平和委員会のチェ・チャンフン書記局長らを招待したのを機に持ち上がった。
同研究所のホームページによると、米国の技術者が訪朝し、西部沿岸に建設する7台の風力タービンタワーの第1号の起工式が5月9日に平安南道温泉郡で行われ、22日に完成。今年中に7台すべてが完成する予定で、生産された電力は病院や学校、農業施設、各家庭に供給される。
ヘイズ博士は「現地入りした時は緊張した雰囲気を感じたが、5日間ほど一緒に働くうちに、善意と信頼の基礎を築くことができた」と指摘。現地は昨年、津波の影響で畑が海水まみれになってしまい、干拓した泥の平地に稲を植えていたが、現在は被害から回復しつつあると語った。
また、「共和国での米国NGO(非政府組織)の活動はこれまで食糧支援に限られてきた。今回のプロジェクトはバージニア州のW・アルトン・ジョーンズ財団の出資による米国初の私的プロジェクトであり、地元の人々と協力して行われる」と強調。現地の診療所に電力や電球、ワクチン保管用の冷蔵庫、漢方薬を処方するための器具などを提供し、救急箱や抗生物質も贈る計画であり、9月に再び訪朝して発電所建設や配電工事を終えたいという。